「創造性」は鍛えることで身につくものである 悪いのはミケランジェロだ!
だからといってミケランジェロの功績を過小評価する理由にはならない。ミケランジェロは、いわば映画監督の役割を果たしていたのだから。
現代なら、大勢の技術者を率いて巨大なプロジェクトを完成させていくフランシス・コッポラのような人に相当するわけだ。信じられない偉業ではあるが、超人の仕業というわけではない。ゴッドファーザー3部作はコッポラのビジョンであり、マーロン・ブランドをはじめとする名優たちから素晴らしい演技を引き出したのもコッポラだ。
しかし、衣装をデザインしたのはコッポラ本人ではない。脚本も別の人が書き、照明機材を据えたのも別の人。編集も含めその他映画の完成に必要な要素をすべてコッポラの手柄にするのは、正しくないだろう。
その才能は猛烈な環境で育まれた
ミケランジェロが天才なのは疑う余地がない。しかし彼の才能は天賦の才というよりは、猛烈な環境で育まれたものだった。石切工の集団に育てられたミケランジェロは、6歳にしてすでに石を切り出しノミで削ることができた。
12歳になるまでに、すでに何千時間も石切りの作業に費やしていたミケランジェロは、14歳で芸術家の見習いとして工房に入った。これほど高度な訓練を受けることは、現在では無理だろう。何より年齢的に違法労働となる。
古の名手たちの作品は、こちらの想像力を刺激してやまない。しかし、彼らの技術は真似できるものではない。ならば私たちは、私たちなりの強みを見つけ出さなければならない。クリエイティブに仕事をするためのセミナーを企業相手に開くときには、どんな職種の人であっても参加してもらう。いわゆるクリエイティブな仕事をする人だけでなく、経理の人も、人事や庶務の人も、技術系の人もみんなでやるのだ。
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