デキる就活生は「海外留学」をどう生かすのか 人事担当者は留学生のここを評価している!

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就職活動前に海外留学を経験したいという学生が増えています(写真:tangducminh / PIXTA)

2月に入り、今年も就職活動を控えた大学3年生たちの行動が慌ただしくなってきた。2017年4月入社となる2016年度の就職活動は、経団連の決定により、昨年よりも2カ月早い6月解禁と開始時期が早まった。

2015年度の就職活動を振り返ってみると、学生の本分である「学業に専念する時間を増やすこと」を目的に開始時期を8月に後ろ倒しにしたものの、従来から4カ月後ろにずれた分、卒業間近まで就職活動に追われた企業や学生が増加。一方、春先からインターンシップという名目のもと、ポテンシャルの高い学生たちとコンタクトする企業が増え、春先に勝負がついてしまうというケースも見受けられた。

インターンシップを見送って留学するワケ

就職活動の解禁日やインターンシップへの参加は、学生にとっては大きな問題。それでも、近年はこうした動きにかかわらず、就職活動前に海外留学を経験したいという学生が増えている。たとえば現在、世界16カ国で語学学校を運営するEFへの大学生からの問い合わせ件数は昨年、3年前に比べて大学2年生で1・45倍に、就職活動直前の大学3年生においては同1.3倍になった。インターンシップを見送り、あえて留学に挑戦する学生も一定数おり、それでも第一志望の企業から内定を獲得する学生も少なくない。

たとえば、都内市立大学に通っていたOさんは、2015年3月に卒業を予定していたが、海外市場で積極的に事業を展開する企業へ入社したいとの思いから就職活動をいったん取り止め、2014年6月から1年間の海外留学に挑戦。2015年の就活スタート時期がずれたものの、見事第一企業の大手通信会社から内定をもらった。

ただし、Oさんのように思い切って休学し1年間の留学に挑戦するケースはまれだ。近年では英国や米国などの英語圏に1~2カ月程度の「短期留学」に参加する学生も増えており、昨年は、就職活動を意識して2月~3月ごろに留学に向かう学生が多かった。1カ月程度であれば休学せずに海外経験が踏めるほか、学生ビザを取得する必要がないと判断した学生が多かったようだ(たとえば、米国の場合は3カ月以上の滞在はビザの取得が必須だ)。

しかし、そもそもインターンシップを「蹴って」まで留学にいく必要性はあるのだろうか。その答えを導くにはまず、企業の人事担当者が留学経験者に何を求めているのかを知るべきだろう。そこで、就職活動に成功した留学経験者にヒアリングしてみたところ、人事担当者から評価されたポイントは海外で培った「語学力」ではなく、「自信を持って話す態度」「留学生活での失敗や苦労した体験に対する共感」だったことがわかった。つまり、人事担当者は留学経験者の立ち振る舞いに将来性を感じた、と言っていいだろう。

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