(第30回)2010年度新卒採用戦線を総括、2011年度の採用戦略のテーマを探る(前編)

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●すべての項目で応募者数が増えているが、理系のプレエントリーは減少

 プレエントリーはしたものの、採用中止や採用見送りのメールが企業から届く--
 ネットには、この頃から“2010年新卒採用中止企業一覧”がアチコチの掲示板にコピー&ペーストされ出していた。では、不況が新卒採用に及んでいることを実感した学生はどのような行動をとったのだろう。
 採用プロドットコムが楽天/みんなの就職の協力し、2009年4月24日~5月7日に実施した学生向け調査でのプレエントリー社数をみると、不況を受けた学生の就職活動には文系と理系に大きな違いがあったことがわかった。

図2:プレエントリー社数
 まず、文系の0~40社のプレエントリー社数が昨年比で大きく減少し、41~201社以上が大幅に増加したことに対して、理系は0~20社が大幅に増加、21~201社へのプレエントリーが平均的に減少していたのである(図2)。

 採用プロドットコムが企業の採用担当者に年末から年明け時点で採用計画を聞いた調査では、採用減の傾向が顕著であったのは事務系で、技術系の採用ニーズについては、特に社員数1000人以下の企業では底堅い傾向がみられた。
 非製造業では、一部の専門職を除けば文理・学部不問で採用する企業も多いため一概には言えないが、次のような傾向があった。採用削減の影響が大きかった文系の学生は「就職ナビや合同企業セミナーを活用して、志望業界を広げ、プレエントリー企業を増やそう」という方針に転換、一方の理系学生は「金融業界や外資コンサルなどの文系就職も考えたが、このような時代は専門を生かせる企業(製造業や情報通信業)の方が手堅く、研究室訪問などで接点のあった企業や大学別や理系限定の合同企業セミナーでコミュニケーションをとった企業から志望先を固めた方が確実」と“メーカー回帰”を判断した可能性が高いと考えられる。

 しかも、こういった理系学生の傾向は、企業が研究室訪問を行った大学や採用ニーズが高い機電系学科を中心に色濃く出ている。

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