「スター・ウォーズを知らない」を恥じるな サブカルマウント先輩との正しい戦い方

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赤木智弘/1975年生まれ(40歳)。フリーライター。好きな映画は『鉄男』

常見:そうそう。ただ、カネと時間を持て余しているだけじゃん。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が公開された時も、ツイッターで何回観た自慢するヤツがいっぱいいたよね。たしかに、2Dだけでなく3Dに、4DXと上映形態もさまざまだから何回も見たくなる気持ちもわかるし、コスプレや鳴り物OKの上映会なんかもやっていて、何度も映画に通わせようという仕掛けは感じられたけど。

赤木:僕もツイッターを見て、「この映画は面倒くさそうだから観なくていいや」って思っちゃった。

常見:映画会社からしたら、たくさん観てくれるファンがいるのはいいことだけど、普通に楽しみたい客にとっては息苦しい状況かもしれないね。たぶん今年もマッドマックスやガルパンみたいな作品は出てくるはず。でも、別に1回観ようが、10回観ようが、みんな同じファンでいいじゃないか。

おカネをかけるだけじゃ、まっとうなファンになれない

中川:面倒くさいファンが増えたんだよ。ガンダムに「ククルス・ドアンの島」ってエピソードがあるじゃん。友人のあるガノタ(ガンダムオタク)は「あの時の作画は酷すぎる!」って、今も怒っているけど、別にいいじゃん。アニメ作っている人間だって、毎週〆切に追われているんだから。そこは許してあげようよと思う。

赤木:批判だけならまだいいよ。今は、そこになぜか勝手に意味を見いだしちゃうんだよね。作品と適度な距離感を持ったファンが少なくなったと思う。みんなが好きな作品を原理主義的に礼賛するようになってしまった。

常見:でもさ、それはコンテンツ業界にも責任があるよ。ライター・編集者で最近はラジオパーソナリティーもやっている速水健朗さんは「繰り返し消費」と言ったけれど、企業は購買力の強いアラフォー世代ばかりをターゲットにしていて、それが適度なファン目線を持てない人間を量産したんだと思う。それがきっかけで、カネがあって、たくさんその作品にお布施をつぎ込んだヤツが偉いみたいな風潮が生まれたのでは。

※詳しくは「アラフォー男子は狙われている!」(2014年1月9日配信)で触れている)

おおたとしまさ/1973年生まれ(42歳)。育児・教育ジャーナリスト。好きな映画は『タクシードライバー』

おおた:僕なんかも超狙われている気がするね。ディズニーがSWをエピソード9で終わらすはずがないから、このままだと子々孫々まで、SWに投資するハメになりそう。

常見:だよね。僕も好きな映画のブルーレイが出たら、DVDを持っていても、毎回買い直している。『ミッション・インポッシブル』シリーズとかね。僕、トム・クルーズに似ているし。

一同:(スルーする)

常見でも、決して、たくさん投資した=まっとうなファンだと思わないほうがいい。まっとうなファンは、企業の戦略に踊らされないし、サブカルマウンティングもしない。

おおた:前回の中川さんと同じ意見になっちゃうけど、自分の好きなものに夢中になっていれば、周囲の反応はどうでもいいんだよね。

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