常見:中川だって、いつも「三国志」か「ドラクエ(ドラゴンクエスト)」の投稿ばかりしているけど、別に誰の反応も気にしてないよね。
中川:オレだけだよ、ここまで「三国志」と「ドラクエ」を愛しているのは!
常見:中川みたいに時代や人に流されない生き方ができると、サブカルの息苦しさから解放されるんじゃないかな。
それこそ武田砂鉄さんの『紋切型社会』(朝日出版社)でも紹介されたけど「オレは初来日に行った」と言ってなぎ倒すヤツとか、「(ザ・フーを見て)ジョン・エントウィッスルがいないとダメなんだよね」とか言うヤツは面倒くさいよね。
赤木:わかる。古参は若い新規のファンに「あんなの、オレの知っているバンドじゃねえ!」とか言ってくるんだよね。別にいいじゃん、そんなこと気にしなくて。
「知らない」と自由に言える世の中になればいい
常見:今、『「罪と罰」を読まない』(文藝春秋)という本が話題になっているけど、岸本佐和子や三浦しをんといった名だたる書き手でも、ドストエフスキーの『罪と罰』はちゃんと読んでいない、あるいは読んだけど忘れたって言うんだよね。
あの本のAmazonレビューも「ちゃんと読めよ」って批判あったけど。これってすごく勇気のいる行動だと思う。もっと「知らない」とか「読んでいない」ってことが、自由に言える世の中になればいい。ここだけの話だけど、僕も高校時代に背伸びして『共産党宣言』と『資本論』を読んだけど、ちゃんとは理解できなかった。
中川:難しいんだよな。オレもニーチェの本を読んでいたら「超人思想」って書いてあって、頭の中がキン肉マンのことでいっぱいになった。読みながら、ニーチェが何万パワーあるかしか考えていないの。だから、まったく内容は覚えていない。
常見:だはは。サブカルマウンティングが鬱陶しいのは、アラフィフ、アラフォー世代なんだろうけど、若い子はそれを逆手に取るといいかもね。
中川:それは正解。若いヤツは、マウンティングしてくる上司や先輩に対して、「なるほど~! 先輩さすがッス!!」という謙虚な姿勢を見せれば、きっと「わかってるね、チミィ~」となること請け合いだよ。そうしたら、もうこっちのもんよ。
おおた:確かに。鬱陶しい先輩には、あえてマウントを取らせたほうがいいかも。
常見:そうそう。おっさん世代なんて、みんな話したがりなんだから。
中川:そりゃ常見、お前のことだろ!!
常見:ガハハハ。
(撮影:梅谷 秀司)
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