スター・ウォーズは「不完全」だから成功した

作中で語らず、キャッチボールを楽しませる

みんなで見て、感想を話し合いたい。そう思わせる映画が『スター・ウォーズ』だ(写真 : wavebreakmedia / PIXTA)
長年コンテンツ業界で仕事をしてきた岩崎夏海氏が、その中で培った「価値の読み解き方」を駆使し、混沌とした現代のライフスタイル感をつづります。本記事は岩崎夏海メールマガジン「ハックルベリーに会いに行く」(夜間飛行)からお届け。

「語らない」から「面白い」

当記事はプレタポルテ(運営:夜間飛行)の提供記事です

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を見てきた。結論からいうと、この映画はやっぱり多くの人が見たほうがいいと思った。以下に、その理由を、なるべくネタバレしない形で書いてみたい。

今回、ぼくはこの映画を、「『スター・ウォーズ』シリーズを一度も見たことがない人」と一緒に見に行った。そしてわかったのは、『スター・ウォーズ』シリーズを見たことがない人にとって、このエピソードⅦである『フォースの覚醒』は、「まったく意味がわからない」ということであった。この映画には、シリーズを知っている人にしかわからない要素があまりに多いのだ。逆に言えば、初見の人への説明を大幅に省いている。

そう聞くと、一見よくないことのように思われるかもしれないが、ぼくは逆にそこがいいと思った。そこにこそ面白さがあると思ったのだ。

そもそも、この映画はあまりにも不完全である。新たなる三部作の第一作目という前提があるから、物語内で提示された問題がちっとも解決されない。謎は謎のまま放置してある。しかも、エンディングに「つづく」という文字すら出ない。だから、何も情報がない状態で見た人にとっては、何が何だかわからない作りになっているのだ。

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