規制や行政指導などで特定業界が守られているというのはよくある話。一方、誰でも参入できる宝飾業界は「衰退業界だから儲からない」というイメージに守られてきた。わざわざ「儲からない業界」に参入しようとする業者はいなかった。
しぶとく生き残って残存者利益を得る
新しい競合が出現するリスクの少ない閉ざされた環境の中で、ナガホリと桑山は積極策を打って「残存者利益」を得ることに成功した。そして今や厳しい国内市場で鍛えられた「強み」を活かし、海外市場での展開を本格化させようとしている。
ナガホリは中国・深センに製造子会社、香港には香港・台湾市場での卸売りを展開する子会社を持ち、市場拡大が見込まれる東アジアでの販売強化を狙っている。
また、桑山はタイと中国に宝飾品の製造・販売子会社を持つ。中国内の需要は堅調で、2015年には中国第2工場の建設に着手した。中国だけでなく、ASEAN地区での売上げ拡大も目指し、タイ工場の生産能力も拡大させた。さらに北米を重視し、北米でのジュエリーショーへも積極的に出展している。
今後は高い生産能力による高品質を武器にする「ジュエリーメーカー」として、海外展開も合わせた成長戦略を加速させるという。
2社とも縮小業界において同業他社がどんどん脱落していく中で、成長を続けてグローバル展開している。実は他の業界にもこのような事例は少なくない。今後、縮小業界における成長企業を紹介していく。
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