ニッポン国力増進計画《若手記者・スタンフォード留学記 39》
前々回、前回と、日本の歴史やメディア業界に話が飛んでしまいましたが、今回は、以前からお約束していた「日本の国力を増進する方法」について書きたいと思います。
ひとつ時事問題から。
最近、個人的に注目していた麻生太郎・鳩山由紀夫両党首の討論をYouTubeで見ました。
この2人の共通点は「大物政治家の孫」ということだけではありません。実は、「スタンフォード」という点でもつながりがあるのです。鳩山党首はスタンフォードで経営工学の博士号を取得し、麻生首相も若き頃、大学院に留学しています(学位は取得していないので、学生だったのかどうかは不明)。
その意味で、目前に迫った総選挙は「スタンフォード対決」でもあるわけです。
ひそかに、私自身「両党首がスタンフォード出身となると、これから日本でスタンフォードのブランド力が上がるかも」と期待しているのですが、妻は、「むしろ、ブランド下がるんじゃないの」という冷めた予想をしています(笑)。
うんちくはさておき、党首討論の感想を一言で言うと、麻生首相にあきれはて、鳩山党首を見直しました。鳩山氏の政治理念や政策は、私自身の考えとは違うところも多々ありますが、スピーチの流れがよかった。
わかりやすい文章やスピーチは、概して、「理念(抽象論)→具体論」という流れが明確なものですが、鳩山党首の、「友愛社会→小学校でのボランティアの例」、「官僚支配からの脱却→天下りの具体的な人数」という構成はとても滑らかでした。ああいうスピーチは、外国でも受けがいいはずです。
ひるがえって、麻生さんのスピーチは、何が言いたいのかさっぱりわからない(苦笑)。わかりにくい政策論とか、どうでもいい話ばかりで、頭の中があまり整理されていません。居酒屋やバーでざっくばらんなトークをするなら、麻生さんは楽しそうですが、一国のリーダーとしては、言語能力に疑問符がつきます。
企業戦略でも国家戦略でもそうですが、まず大きなヴィジョンがあって、そこを起点として、具体的なプランが出てくる--そういう流れでないと、現場の人間は何をすればよいのかわからなくなってしまいます。
ということで、今回は、細かい政策論うんぬんではなく、大枠としての日本の戦略について考えてみたいと思います。