「10年後の目標」なんて宣言しても無意味だ もしあったとしても他人に言う必要はない

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ちなみにこれらは何も当時、彼ら彼女らは間違っていた、ということではありません。

そのときの彼らの常識から判断した合理的な結論ではあったのでしょう。それに学生といっても多くはすでに選挙権もある歳なわけですから、他人に迷惑をかけていない以上は、彼ら彼女らの人生の判断を他人がとやかく批判する筋合いはあまりないわけです。逆に言えば自分の判断には自分で責任を負うべきです。

ただし、当然のように人はいろいろと実際に経験を重ね、歳を重ねると、価値観や人生における優先順位が変わるものです。

当時そのような価値観を持っていた彼ら彼女らも、自分の目の前の現実の色が変わったり、視野が開けてくることによって、価値観に変化が生じたということ以上でも以下でもありません。

つまり形はどうであれ成長したということです。そしてそこには今後を生きていくうえでの気づきがあったということです。

「10年後も成長していたい」

ですから10年後どうなっていたいかの問いには、「成長していたい」以上でも以下でもないわけです。

目標を定めても目標どおりに行かないところが人生の面白さでもあり、人生において経験を重ねることで、物事に対する柔軟性をその都度磨くことこそが大人になるということなのではないでしょうか。

学生時代は各種カリキュラムなどにのっとった人生を生きてきたのでしょうが、社会人の人生となるとそうはいきません。

惰性で生きようと思えばできるでしょうし、頑張ろうと思えばいくらでも頑張れる。

そもそもKさんはまだ学生ですから、何もないがゆえに将来、何者にでも何にでもなれる可能性も権利もあるわけです。現時点でやりたいことが見えていない中で、自ら足りない知識と情報をベースに、無理に方向性を絞ってしまうことはありません。

将来は今の積み重ねでしかありませんから、その時々、柔軟性と熱い努力、つまりクールなマインドとホットなハートで生きていけばいいんじゃないでしょうか。短期のチャレンジをどんどんクリアし、現在では思い描いていなかったような人物に10年後なるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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