日本の「食のおもてなし」、実は"超一方的"だ ベジタリアンは日本での食事に困っている

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カリフラワーを潰し、ご飯に見立てたカリフラワーライスは食感もどことなくご飯に似ていて、おかずと食べるのにうってつけ。ベジタリアンはともすると、炭水化物に頼りがちで肥満に陥ることもあるので、カリフラワーライスは炭水化物の過剰摂取を防ぐのにもありがたい存在です。自分で作ることもできますが、潰しすぎると歯ごたえがなくなるので、加熱はほどほどにしたほうがいいみたいです。

もうひとつ、ベジタリアンとは違いますが、近年注目を集めているのが、Gluten Free(グルテンフリー)ダイエット。グルテンとは小麦などに入っているたんぱく質の一種で、アレルギー反応が出るからと摂取を控えている人も少なくないのです。すでに、メジャーになりつつあるため、ニューヨークではグルテンフリーのレストランやメニューがあるだけでなく、スーパーにはグルテンフリーのシリアルやパンケーキ粉などが数多く並んでいて、選ぶのが楽しくなるほどです。

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ホールフーズやトレジョーのホームページでは、グルテンフリーやベジタリアン、ビーガンなどそれぞれのニーズにあった食品の紹介をしている

ニューヨークにはこうした商品をそろえるスーパーが至る所にあります。代表格はWhole Foods(ホールフーズ)と、Trader Joe's(トレイダージョーズ)のオーガニック系スーパー。どちらも全米で展開する人気スーパーで、自社製品を含めたオーガニック製品を数多く扱っています。日本人観光客にも大人気(お土産の定番だったりします)なので、聞いたことがある人も少なくないでしょう。

価格は決して安くありませんが、夕食時などは行列必至で、入場制限をすることもあるほど。ホールフーズはベジタリアン向けの総菜も豊富で、大きなイートインスペースで食事を済ませる人もたくさんいます。

「美食の国」のはずなのに食べるものがない!

かくいう私も12歳の頃からベジタリアンです。私は埼玉県加須市という茨城県に近い地域の出身。家族全員が肉と魚を愛する、典型的な日本人ファミリーで育ちました。もともと牛肉が苦手だったのですが、ある日、食肉の製造過程を紹介するテレビ番組を見てしまったのです。その残酷なプロセスにショックを受けてしまい、そこから野菜中心の生活にすることに決めました。当時はベジタリアンという言葉も知らず、周りからは「偏食」扱いされてきました。初めて映画でベジタリアンを知ったとき、「ああ、これは私だ! 私は普通なんだ」と安堵したのを覚えています。

しかし、何より大変だったのはベジタリアン向けの料理がないこと! 給食は言うまでもなく、ファミレスなどでもベジタリアン用のメニューがないため、ほうれん草などサイドメニューでお腹を満たしていたものです。

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