総額3兆3213億円の本年度補正予算は1月14日に衆議院を通過した。だが、これ文字通りの「補正予算」と考えてはいけない。来年度予算の概算要求からこぼれ落ちたものが多数この補正予算で要求されているためだ。
特に東日本大震災以降は、概算要求で要求したものの政府案でこぼれたものを当年度の補正予算で要求しているケースが多く見られる。東日本大震災の復興特別会計(復興特会)も同様な目的で使用されてきた。
筆者の専門である防衛省のケースも例外ではない。ここでも相変わらず、来年度の防衛予算で調達すべき装備が本年度の補正予算に計上されている。その中身を検証していこう。
本来の意味での補正予算は544億円だけ
本年度の防衛省所管の補正予算は総額1966億円。本来、補正予算で要求するのは当初予算で想定されていない事態が本予算編成後に起きた場合に限られている。例えば原油価格の急な高騰で燃料費が当初の見積もりを大きく超えた場合や、先の大震災のような自然災害などで相当規模の部隊を派遣した場合など、本予算の編成時には想定しなかった追加の支出が必要な場合である。
その考え方に沿えば、本来の意味の防衛省の補正予算は以下に述べる「その他の支出」とされている544億円だけだ。
・為替レートの変動に伴い不足する外貨関連経費
・災害により被災した装備品等の復旧
それ以外の予算は本来、補正予算では計上できないものばかりだ。
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