2016年の世界経済は米国次第で大きく変わる 「独り勝ち」米国経済が傾いたらどうなる?
中国株式市場が急落して当局は取引を中止し、北朝鮮は核実験を実施。サウジアラビアとイランという中東の二大国は威嚇し合っている。欧州連合(EU)域内では過激派の脅威が増し、移民が押し寄せ、英国が離脱をするかもしれない(この3つは無関係ではない)。
米国は失業率5%を維持
一方、米国はというと、新規失業保険申請者数がこの40年で最低水準となり、失業率も5%を維持している。大統領選挙の候補者指名争いは騒がしいものの、議会は最近、新たな年も順調な国政運営を継続すべく超党派の法案を可決した。
2016年は始まったばかりだが、ほぼすべての地域が深刻な困難に直面し、世界は経済的にも地政学的にも混乱の年となりそうだ。唯一の例外が、少なくとも現時点では、世界1位の経済大国だ。米国経済は、不安定な世界の中で安定力として機能している。
米国はもちろん、その経済の恩恵を受けている世界中の人にとって2016年の重要な問題は、米国がどれだけ持ちこたえる強さを持っているかということだ。
実際のところ、年が明けてニュースになった問題はどれも、目新しいものでも予想外のものでもない。どれも2015年の流れの延長線上にある。