日米で違いすぎる「反緊縮財政」を巡る議論

大御所が見る米国経済「利上げ後」のゆくえ

活発な議論が繰り広げられた米国経済学会のパネルディスカッション(筆者撮影)
 今年の米国経済は株価の下落で幕を開けた。世界金融危機(リーマンショック)以降の経済成長率は、それ以前の成長率よりも低い状況が続き、「長期停滞」懸念も呈される中、失業率は世界金融危機以前の水準近くまで低下し、景況に底堅さも見られる。今年の米国経済はどうなるか。
 
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毎年1月、年始早々に米国経済学会(American Economic Association)年次大会が開催される。今年は米国経済学界の大御所が米国経済の行方について議論する、パネルディスカッションに注目が集まった。

米国経済の成長が低迷している理由

パネリストは、登壇順に、マクロ経済学の泰斗でマサチューセッツ工科大学教授などを歴任しピーターソン国際経済研究所シニア・フェローのオリヴィエ・J・ブランシャール氏、米国の財政学の第一人者であるハーバード大学のマーティン・フェルドシュタイン教授、米連邦準備制度理事会(FRB)のスタンレー・フィッシャー副議長、ノーベル経済学賞受賞者であるコロンビア大学のジョセフ・E・スティグリッツ教授、米財務次官などを歴任し金融政策の大家であるスタンフォード大学のジョン・B・テイラー教授、と錚々たる顔ぶれである。

パネルでの議論では、世界金融危機以降の米国経済の成長低迷の理由は、労働生産性上昇率の低下や社会インフラの供給不足や経済環境の不確実性や過剰な規制といった供給側の要因なのか、それともゼロ金利下でも設備投資が不十分にしか行われないなどの需要側の要因なのかについてどうみているか、そして低迷する経済成長を財政金融政策で刺激できるか、が焦点となった。このパネルでの議論を拝聴した筆者なりに、興味深かった点を紹介しよう。

金融政策に関しては、フィッシャーFRB副議長の発言が早速各メディアで報道されたこともあり、本稿では紙幅の都合で割愛する。米国経済の今後を見極める上で、1つのカギとなるのが、反緊縮財政か財政健全化かの政策選択である。パネルリストの間で顕著な違いがあったので紹介しよう。

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