米国企業の業績悪化の「元凶」はドル高
NYダウ平均株価やS&P500指数などの主要な株価指数は、チャイナショックがなかったとしても、すでに2015年7月下旬に天井を打っていました。その主たる要因は、ドル高による米国企業の業績悪化にあります。7月下旬から始まった主要企業の決算が、低調な結果で推移していたのです。
もちろん、中国景気の減速や商品価格の下落なども天井を打った要因として考えられないわけではないですが、7月の時点ではそれらは副次的な要因に過ぎなかったといえます。米国の主要企業が海外で稼ぐ売上げ比率は30%程度になり、金融を除く幅広い業種でドル高による収益悪化の悪影響が強まってきていたわけです。
トムソン・ロイターの最終的な集計によると、主要500社の2015年4-6月期の1株当たり利益は、前年同期から1.6%増えたということですが、主要企業の決算にはいつも以上に注意を払う必要がありそうです。
というのも、主要500社の1株当たり利益はドル高の進行によって、1-3月期の2.2%増、4-6月期が1.6%増と増益幅が縮小傾向にあるなかで、7-9月期は一段とドル高が進んだだけでなく、途中からは中国経済の減速も懸念されたため、減益になる可能性が高まっているのです。同社の10月中旬から始まる7-9月期の1株当たり利益は4.5%の減益予想になっています。
実際に減益となれば、金融危機後の2009年7-9月期以来となるため、いくらチャイナショックのあおりを受けて暴落したといっても、米国株への悪影響は無視できないと見るべきでしょう。そのように考えると、遅くとも11月にはチャイナショックからの戻り相場が終わることが想定できるわけです。
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