「錬金術」によるアメリカの株高は続かない チャイナショックからの反発には「限界」

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こういった自社株買いのほかに米国株を買い支えていたのは、日本や欧州などの機関投資家の買いでした。日欧の機関投資家は量的緩和に伴う金利低下によって運用先に困った挙句、自国株だけでなく米国株も積極的に買っていたからです。だから、2015年4-6月期の米国企業の決算を受けた株価の下落局面では、彼らは持続的に押し目買いを入れていたのです。

もちろん、日本の機関投資家には、私たちの年金を運用しているGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)も含まれているのですが、チャイナショックによりNYダウ平均株価が10月上旬時点で1万6000ドル~1万7000ドルの間で推移しているので、現時点では米国株の収益はマイナスになっているかもしれません。そのうえGPIFの買い余力が少なくなってきているので、ジリ貧の状態にあるとしか言いようがないのです。

もし利上げなら、NYダウ1万5000ドル割れも

欧州の機関投資家にとっても、チャイナショックの衝撃は大きいものでした。彼らは日本の機関投資家とは異なり、早くも8月には株式の保有を減らし始めていました。米国株であろうと日本株であろうと関係なく、世界中の株式市場で現物株を売り続けていたのです。彼らは次のショックにも耐えることができるように、リスクの高い資産の圧縮に努めているようでもあります。

このような流れのなかで、FRBが利上げをするようなことがあれば、米国株はかなり高い確率で8月の安値を下回ってくるでしょうし、NYダウ平均株価の1万5000ドル割れも覚悟しなければならないかもしれません。

イエレンFRB議長はもとより株価がバブルになる前に抑えたいという思いが強かったので、たとえ労働市場の正味の指数(正味の失業率や賃金上昇率など)が弱いままであっても、2015年のうちに利上げを開始すると言い続けてきました(6月25日の『日本株はいよいよバブルの領域に入った』記事参照)。

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