マーケットが最も混乱するケースはどんな時でしょうか。それは、危機が起きて、かつその内容が不透明な時に起こります。
どんなに大きな危機でも、ある程度それが予測できる範囲のことだったり、その規模が的確にわかるようなときには一時的に波乱が起きてもすぐ収まります。
もしFRBが利上げを決定したらどうなるのか
その意味ではアメリカが利上げする、しないという問題は、すでに昨年から今年、というタイミングもわかっていました。また上げる幅についても25BP(0.25%)とほぼわかっているので、FRB(米連邦準備制度理事会)がこれを決めたところで、マーケットがそれほど大きく混乱することは考えられません。
一方、2008年の経済危機の時は、まず証券化商品がものすごく割高になっていたので、われわれ一部のプロにとってはその予測(暴落すること)は難しくありませんでした。
せいぜい、BBとかBの格付けのものを集めた証券化商品がいくら分散させてAAAを取っているからといって、それが大量に流通しているのは危ないと考えていたのです。しかし大多数の投資家、メディアは商品の仕組みをまったく理解していなかったために、当初この問題が起きることも予測していませんでしたし、起きた後もその規模を恐ろしいほど過小評価していました。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら