さて、なぜ、長々と前ふりをしたかというと、この観点からみると、今起きていることはかなり危ない要素に満ちているということを理解していただきたいからです。
それは欧州(ユーロ圏)で起きています。
ギリシア危機はギリシアの規模がしれていましたから、いざとなれば何とかなるわけですが、今回ばかりはそうもいかないかもしれません。
欧州で起きている「3つの深刻なリスク」とは
まず一つ目は難民問題です。これは政治問題として捉えられることが多いのですが、実は経済問題、特に国の財政問題と直結します。これまでせいぜい何万人、といったレベルの難民が急激に増え、ドイツにはすでに45万人以上の難民が流入し、このままいくと今年1年で100万人を超えるのではないか、と予測されています。
他の欧州諸国と合わせるとそれこそ数百万人の難民が押し寄せる、という予測もあり、正直その規模は誰にもわかっていません。さらに、その難民は働いていないので、彼らが職業に就くまでの生活費、そのための教育費、さらに子供たちに対してはこれから何十年にもわたる社会保障費が必要となり、結局それがどの程度の財政負担になって、それがどの程度の期間が続くのかも、実は誰にもわかりません。
さらにいえば、現在はシリア、アフガニスタン、ナイジェリアなどの国からの難民が主な「流入源」ですが、これとて今後どこまで広がるかなど、誰も計算できないのです。
それらの負担をユーロ各国で応分にわけあう、という話はすでに紛糾しており、ドイツも一方的に自分たちだけが負担することには消極的です。
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