マイナンバー、今さら聞けない基本中の基本 戦後最大の制度改革とはいったい何か
2015年10月5日時点の住民票情報を基に、日本に住む住民1人ひとりに付与されるマイナンバー(個人番号)。いよいよ10月中旬から11月末にかけて、12ケタのマイナンバーを記した「通知カード」が、全国5600万の世帯ごとにまとめて郵便局から簡易書留で配送される。実際の利用は2016年1月1日から始まる予定だ。
全国民を巻き込むイベントだけに、配送を請け負う日本郵便の現場は大わらわとなっている。日本郵便の労働組合関係者は「12月1日から『お歳暮ゆうパック』の配達が開始されるため、遅くても初回配達日を11月25日までに設定している。局内作業を含む初回配達の所要時間は1通当たり2分とされているが、いつ配達が完了するのかは見当がつかない。不在時の再配達がどのくらいになるのかも予測がつかない」という。
日本郵便広報室は「夕方や夜間の時間帯の配達人数を増員するなど個々の郵便局の状況を踏まえ、万全の対策を行う予定だが、配達時期が一年の最繁忙期である12月まで延びないよう、11月までの早い時期の差し出しを総務省へ要請している」(広報室)。
日本郵便が各市区町村ではなく総務省へ要請する理由は、マイナンバー法の総務省令に基づき実際に通知カードの作成・発行を担っているのは、地方公共団体の共同運営組織「J-LIS(Japan Agency for Local Authority Information Systems、ジェイリス、地方公共団体情報システム機構)」になるからだ。J-LISは通知カードの作成・発行を全国の市区町村長から委任を受けており、マイナンバー制度が始まるに当たり2014年4月1日に設立された。
個人と企業がやるべきポイント
週刊東洋経済は10月3日号(9月28日発売)の特集『いよいよ来るぞ マイナンバー』で、マイナンバーの実像を検証している。実際にマイナンバーが通知された後、個人や企業は何をすべきなのか。通知カードを受け取った後、個人がまず行うべきは勤務先への届け出だ。企業は税や社会保障の手続きで従業員のマイナンバーを記載しなければならないため、日雇いを含むアルバイト、パート、派遣社員であってもマイナンバーは勤務先に届け出る必要がある。
記載が必要となる主な場面は源泉徴収票の作成手続き、健康保険・厚生年金・雇用保険の手続き、証券会社や保険会社が行う配当金や保険金などの支払い調書作成だ。税と雇用保険および各種支払い調書は2016年1月1日の提出対象分から、健康保険と厚生年金保険は最短で2017年1月1日の提出対象分から適用される。
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