なぜ日本男子は「自分の強み」を語れないのか 自分ならではの「違い」を打ち出し土俵を作れ

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「回り道」の経験を組み合わせた違いづくりは、大きく次の3パターンがあります。

回り道した経験の組み合わせを強みにする

3タイプの組み合わせがあります
① 関係ないスキル

畑違いな部署への異動、学生時代のアルバイト、前職など。一見本業と関係ない仕事での経験を、本業に組み合わせるパターンです。他部署、他業界の仕事をちょっとかじっただけでも、その知識やスキルを本業と組み合わせることで付加価値の高い違いが打ち出せます。

たとえば、経理やITなどバックオフィスの異動が多かった女性がいました。本人は中途半端と思っていた複数部署の知識を組み合わせると、企業全体のプロセスが描けるという彼女ならではの違いを発見。社内コンサルタントとしての彼女の土俵を作りあげました。

② ほろ苦い経験

仕事で体調を崩したり、大きな失敗をしたり、トラブルを体験したりといった、ほろ苦い経験を本業に組み合わせるパターンです。経験から得た気づきを、同じ経験をした人、同じ経験をするかもしれない人に対して還元して共感を得るような、新しい仕事が生まれます。

大きな失敗を経験した人は、失敗する人の気持ちをくんだマネジメントができるという違いが出せます。仕事で体調を崩した自分の経験とその時の気づきを、女性の働き方メソッド整理して講演するという、新しい土俵を作った女性もいらっしゃいます。

③ ニッチなつきあい

お年寄りと話す機会が多かった、子供との接点が多かった、周りはおじさんばかりだった、方言で話すのが得意など。コミュニケーションするのが得意な特定の地域、世代、性別を相手に本業のサービスを提供すると、自分ならではのニッチなマーケットをつくれます。

実は、「はたらく女性のかていきょうし」はこの組み合わせです。女性に囲まれて仕事していたので女性相手は得意。女性向けコンサルタントってなかなかいないな……と思ってつくったボクならではの土俵でした。

20代は違いを形成する時期、焦らないこと

中途半端な職歴、ほろ苦い失敗、偏ったおつきあい。そんな本流からそれた回り道の経験こそ、自分ならではの違いを打ち出す材料です。一流も入り込めない、自分ならではの「土俵」をつくるのは、すごくワクワクするお作法です。ぜひ試してみてください。

強みづくりには、資格や才能より自分ならではの回り道の経験が重要です。ですから、プロとしての強みを打ち出すには、社会人になって少し年月が必要になります。就活生や20代の若手社員の女性に「かていきょうし」する時は、今は「強み」はなくてもいいんですよとお伝えしています。

自分ならではの違いは、順調じゃない道をたどって形作られる、自分の歴史みたいなもの。「一流」にしばられず、自由に自分の違いを形成してくことが重要です。最後にプロフェッショナルを歌うあの名曲のフレーズをご紹介します。

ずっと探していた 理想の自分って もうちょっとカッコよかったけれど
ぼくが歩いてきた 日々と道のりを ほんとは"ジブン"っていうらしい
〜スガシカオ 「Progress」より

 

タブ タカヒロ ビジネスコンサルタント、はたらく女性のかていきょうし

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たぶ たかひろ / Takahiro Tabu

東亜大学トータルビューティ学科客員准教授。外資系アパレル2社→MBA取得→コンサルティングファームという経歴で現在に至る。新卒でやたらと有能な女性の多い職場で女子力を鍛えられ、海外勤務も経験。MBA取得後、コンサルティングファームにて、男くさいロジックと競争の世界に翻弄され、一瞬自分を見失ったものの、土壇場で開眼。周りを巻き込み味方を増やしてわくわく仕事をするスタイルを確立。週末にライフワークとして行っている「はたらく女性のかていきょうし」は大人気の数カ月待ち。セミナー開催や、雑誌取材など多方面で活躍中。共著に『外資系コンサルはなぜ、あえて「手書き」ノートを使うのか?』(KADOKAWA)。

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