松本:だけど安倍さんが首相になった時に日本のメディアは、「ゴリゴリの保守」だなどといっぱい書いた。中国や韓国のメディアもそう報じるので、「ゴリゴリの保守」というイメージが世界に広がりました。
ところが4月、安倍さんがアメリカに行って、連邦議会の本会議場でスピーチをした後ではアメリカでの論調も変わりました。行く前の段階では「日本からすごい保守派が来るらしいぞ」と思われていたが、実際はなかなかバランスのいい政治家だな、と見直されたのです。
こういう誤解は、国富としても、国のイメージとしても損をしている。実際、海外との関係としても損なわれていることがあると思います。日本はすごくいい国ですが、メディアがよいことを書かず、悪いことばかり書きすぎです。
木本:やっぱりそうなのかあ。テレビ番組に出ていて、いつも感じていた疑問なんですよ。でも、疑問がだいぶ解けてきました。「安倍さんが悪い」と思えないのは、僕の頭が悪いからなのかな、と悩んでいたんですけど、報道の仕方が偏っているんですよね。
減点法でなく、加点法の報道を
松本:ネガティブな評価って、実は影響が大きいんですよ。大きいのは海外への悪影響です。海外の人は日本のことをそんなに知らないから、日本で書かれた記事の翻訳記事を読む。あるいは日本の記事を提携している新聞社が訳して出していくわけです。そこに書かれている記事のせいで、「日本はだめなんだ」みたいになっちゃうことがある。そこが、すごいもったいないと思うんです。減点法じゃなくて、加点法に変えていったほうがいい。
木本:本当にそう思います。そのほうが普段ニュースを見ない、ニュース離れしている人には、入ってきやすいです。
松本:そうなんですよ。
木本:でもネガティブなことが先行しがちですよね。選挙にたまにしか行かない人って、政治家を選ぶ時、だいたいみんな好きな顔かどうかで投票している。しょせん僕たち一般というか、あまり政治に明るくない人間は、遠目からしか判断できない。だめなことに限って、情報をポンとつかむので、報道の影響って大きいですよね。
松本:本当によくないと思うんです。先ほどの選挙の例でいうと、悪い顔をした政策立案能力のある政治家ではなく、何もできないおとなしい政治家が選ばれる。ということになりかねない。変えなきゃ(一同笑う)。僕は金融が専門なので、投資でたとえます。年間10%儲けようという目標を持って、1年間投資活動に取り組むのと、年間5%の目標を掲げるのでは、結果がぜんぜん違うんです。もちろん前者のほうが結果が出ます。
木本:ああ、そうですよね。
松本:「僕らは伸びていくんだ、日本は伸びていくんだ。いいことをしているんだ」というイメージを持つことが大事。「そのためにもっと頑張ろうよ」とみんなが動くのと、「日本はだめなんだよ、だめなのかなあ、だめだねー」みたいな感じで(笑)、日々暮らすのでは、未来がぜんぜん違うと思うんです。
木本:そうですよね。これからは僕もポジティブなイメージをいつも持つようにします。
(構成:高杉公秀、撮影:梅谷秀司)
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