韓国を悩ます「TPP出遅れ参加」の損得勘定 拡大する日本の影響力を危惧
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉が妥結した。自由貿易協定(FTA)締結にひた走っていた韓国政府は「どのような形であれ、メガFTAに参加する方向で検討する」ことを明らかにした。韓国は、遅ればせながら、高い参加費を支払うことになりそうだ。
TPPは世界1位と3位の経済大国である米国と日本が主導して、メキシコやオーストラリアなど太平洋に面する12カ国による多国間FTAだ。参加国の国内総生産(GDP)規模は、世界経済全体の37%(2013年基準)を占める巨大な経済ブロックが出現することになる。取引量も世界全体の25.8%に達し、欧州連合(EU)よりも規模が大きい。
日本参加がネックとなりTPPに不参加
TPPはまた、異なる貿易障壁を持つ国々を一つにまとめる、初のメガFTAとなる。商品関税を大幅に切り下げることを皮切りに、サービスや投資など各種の貿易障壁を下げることになる。2005年にチリやブルネイ、ニュージーランドを中心にTPPに関する議論が開始され、2008年に米国、2013年には日本が飛び込んで一気に規模が膨らんだ。
国家間の経済統合に積極的だった韓国は、このTPP交渉に参加しなかった。韓中FTAなどの大型案件に集中していた時期でもあり、また極度に悪化した日韓関係も影響した。韓国にとって複数の国家が参加するTPP=メガFTAとは、日本と韓国が本格的な競争を開始するという意味合いが大きかった。
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