南北朝鮮関係は微妙に「変化」している 8月の衝突回避で見えた3つの新展開

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北朝鮮というより、もっぱら韓国の対応に変化が見られる (写真:Steve Allen / PIXTA)

8月、北朝鮮と韓国は悲惨な軍事衝突をぎりぎりで回避した。40時間に及ぶ激しい交渉の末、韓国は、その3週間前に非武装地帯で起きた地雷爆発で韓国軍兵士が死亡したことに北朝鮮が「遺憾の意」を表明するのと引き換えに、非武装地帯に向けた拡声器による放送の中止を受け入れた。

今回の危機では、北朝鮮のいつもながらの好戦的で攻撃的な誇張表現が目立った一方、興味深い新展開もいくつか見られた。これらの展開を理解することは、南北間の誠実な協力の開始に十分な弾みをつけて朝鮮半島をより平和的で安全な未来へと導く上で、役立つ可能性がある。

1つ目の新しい展開は、北朝鮮の挑発に対して、韓国の指導者が毅然とした対応を取ったことだ。2010年に韓国国民は、100人余りが乗艦していた韓国の哨戒艦「天安」を北朝鮮が沈没させた直後に軍が報復しなかったことや、その年の後半に起きた延坪島砲撃事件について厳しく批判した。

対照的に、先日の地雷爆発事件後に朴槿恵大統領は、地雷敷設を否定する北朝鮮への謝罪要求を引っ込めようとはしなかった。大統領の支持率は、前の月の34%前後から50%へと急上昇した。

朝鮮半島への深刻なリスク

このような変化は韓国では評判が良いものの、朝鮮半島にとっては深刻なリスクが伴う。もしも強硬な韓国が、時に大胆不敵で常に一貫性のない行動を取る北朝鮮と再び軍事的チキンレースを繰り広げれば、大惨事を招く可能性がある。この意味で、南北間の恒久平和に向けた制度的な枠組みづくりが、従来よりもさらに喫緊の課題となっているのだ。

2つ目の新展開は中国がらみだ。中国は今回の危機の間ずっと沈黙を保った。これは外交の舞台で積極的に北朝鮮側に与していた2010年当時からは大きな変化だ。

もちろん、今回の中国の対応が、北朝鮮の唯一の盟友や重要な経済的後ろ盾としての役割から、本当に戦略的な撤退をする転換点になるのかは知る由もない。中国の指導者は、北朝鮮のリーダーシップを自制させる戦略が適切だと判断しただけかもしれない。しかし、中韓関係が深まっている現状では、この沈黙には気まずさが漂っている。

本当に中国が北朝鮮と距離を置いているのであれば、金正恩体制は国際的に完全に孤立したも同然だ。金正恩政権はこの孤立状態の中で、韓国への敵対を続ける向こう見ずな対応をするのだろうか、それとも態度をさらに軟化させて現実的な対応に出るのだろうか。

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