2014年度の北朝鮮経済は「1%成長」だった? 金正恩政権が本格化して以降は成長幅縮小
2014年度の北朝鮮の経済成長率は、前年比で1.0%増――。そんな統計が発表された。韓国の中央銀行・韓国銀行は7月17日、「2014年北韓(北朝鮮)経済成長率推定結果」を発表、1%成長となった理由として、農林水産業や鉱工業の成長の勢いが鈍化したが、建設業が建設ブームで成長の勢いが加速、サービス業の成長も増加していること上げている。
韓国銀行の統計によれば、2006~2010年までマイナス成長が続いた後、2013年は前年比で1.1%、2012年は同1.3%と、2011年からは経済成長率がプラスを維持している。ちなみに、韓国の経済成長率は、2014年は3.3%だった。
農業、建設業が成長後押し
1%成長の中身を産業別に見ていくと、農林水産業や鉱工業、建設業、サービス業が順調で前年比増と推算している。農業では畜産業と漁業が順調で、トウモロコシやジャガイモなどの生産減少をカバーし、前年比で1.2%の増。建設業では建築分野が好調で1.4%増、サービス業は政府関連サービスや運輸・通信業が順調で1.3%成長となっている。
一方、前年比で減少したのは電気・ガス・水道関連で、北朝鮮では発電の主力である水力発電の稼働率が下がったことが足を引っ張り、前年比2.8%減少した。製造業では、食料・飲料品、衣服・靴など軽工業を中心に1.5%の増加となったが、石炭や鉄鋼などの重化学工業が伸び悩み、製造業全体では0.8%の減少となった。
プラス成長は維持しているものの、この数年の統計から見ると伸び幅が縮小していることが目立つ。たとえば農林水産業の成長率を見ると、2012年は3.9%だった。製造業も同1.6%で、特に軽工業は同年4.7%と、伸び率が大幅に縮小しており、韓国銀行の統計からは金正恩(キム・ジョンウン)第1書記政権が本格化した2012年以降、活況を呈し始めた経済生活にある程度の陰りが見え始めたことを示唆しているとも言えるだろう。
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