平壌国際空港が「普通の空港」になった! 7月に開業した新ターミナルの様子とは?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
平壌国際空港の新しいターミナルビルで働く女性職員

7月1日、北朝鮮の平壌国際空港に新たにターミナルビルがオープンした。この空港は平壌近郊の順安市にあり、「順安空港」とも呼ばれる。ここに近代的なビルが建設され、北朝鮮の新たな玄関口になったのだ。

昨年、建設現場を視察した金正恩第1書記が、「わが国(北朝鮮)の民族性がまったく生かされていない。外国のコピーではないか」と関係幹部を叱責、一部幹部の粛清説も流れた。だが、完成後に視察した金第1書記は「現代的な美的感覚と民族的な特性が調和を成している」と、完成したターミナルに太鼓判を押した、と朝鮮中央通信など現地メディアは報道している。

新ターミナルビルは明るく開放的

旧ターミナルの外観

完成から間もないこの新ターミナルビルを訪れた在日コリアンから、新ターミナルの写真を入手した。新ターミナルの完成後は国内線専用のターミナルになったという従来のターミナルと比べると、天と地と言えそうなほどの違いだ。「旧ターミナルは空港と言うより検査場といった雰囲気だったが、新ターミナルはとてもきれい。明るく、開放的な印象を強く受けた」と驚いたという。

旧ターミナルは建物自体も古く、狭かった。地上1階のワンフロアのみで、北朝鮮から出国する場合、入り口から税関検査、搭乗手続き、出国手続き、搭乗口、まですべて見渡せるような構造だった。

ビル入り口付近にカフェがあるほかは、飲食施設はなし。売店も北朝鮮の特産品や指導者関係の本やCD、DVDなどがある程度。出国審査を終えた部分も狭く、ベンチが数十人ぶんがあるのみだった。

免税店もほぼ3坪程度の狭いスペースに、北朝鮮産のたばこや酒、薬品などがわずかに売られているだけ。搭乗口まで長距離を歩かされることはないが、一国の玄関口とは思えない、寂しい空港だった。

次ページ免税店や売店など施設面で格段の充実
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事