木本:具体的にはどんなモノですか。やっぱり食べ物……。
松本:部品とか自動車、食品。車が意外と大きいかもしれないですね。
木本:車ね。メリット・デメリットでいうと国産車はどうなるんですか。
松本:TPPは貿易の条件が一緒ということですので。
木本:アメリカ車は、今までよりは安く買えるようになる。
松本:同様に日本車もアメリカで安く売れるということなので。
木本:そうか一緒か。
松本:日本車の質がよければ日本車が勝つわけです。アメリカ車が日本で安く買えるなら、日本車もアメリカで安く買えると。仮に日本車が勝つとしますね。するとアメリカの消費者は「もっといいモノを安く買える」となる。アメリカの自動車産業には打撃です。
補助金の使い方も生産性重視になる
木本:打撃ですよね。そうすると怒りますよね、おそらく。アメリカの人たち、また怒ってきますか。
松本:怒るにしても、アメリカ車は競争力がないから日本車に関税を高くかけるということをやれば、単にアメリカの消費者が損するだけ。あるいはアメリカ車の競争力が低いから、国がお金を投入して安くしますとやっても、税金の無駄遣いですよ。日本におけるお米なんかが現在そうしていますが、補助をするとどうなるか。国の税金は生産性を高めるために使うことは難しい。ある条件を満たせば公平にばら撒くことになる。どうしても、「お前さんたちそのままでいいから助けてやるよ」という形になってしまう。
木本:うわあ、ムダ使いとしか思えませんね。
松本:そう。どうせお金使うなら、国が、新しい機械を入れて、力量のあるデザイナーを使って性能をよくしなよと。単にお金を補助するだけでなく、生産性を高めることに使うお金を国が出してあげようと。低利で融資します、出資します、という方向にお金の使い方が変わる。だから極端な言い方をすると、保護政策は愚民政策なんです。「愚かなままでいいです」、「競争力を上げないままでいいです」と。「でもお金あげるから票ちょうだい」という政策から、「競争力つけるためにお金を使っていいよ」というふうに変われば、生産性が上がっていきます。
木本:そうかそうか。とてもわかりやすい説明でした。TPPいいじゃないですか。
松本:そう、いいことなんです。
木本:じゃあ、どんな人達が反対しているのでしょう?
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