クラウドファンディングが信用されないワケ

詐欺防止を徹底できるのか

(写真: Syda Productions / PIXTA)

原文はこちら

米国でのクラウドファンディングをめぐる困難は、金融市場をうまく機能させる難しさを語る上で最適な例といえるだろう。

米証券取引委員会 (SEC) は3年あまりの検討を経て、真のクラウドファンディングに関する最終ルールをこのほど公表した。しかし、この新たな枠組みでさえ、クラウドファンディングを世界レベルで進めるのに十分ではない。

真のクラウドファンディング、つまり、エクイティ・クラウドファンディングでは、スタートアップ企業の株式を、従来のようなベンチャーキャピタルや投資銀行を経由せず、多数の小規模株主にオンラインで直接販売する。オンラインオークションに似たコンセプトだ。

なぜメジャーになれないのか

クラウドファンディングを使えば、銀行には価値が理解できそうにない事業のための資金を、事情通の人々から素早く調達可能になる。確かにエキサイティングではある。米国以外の規制当局には好意的な向きが多く、既にプラットフォームが運営されているところもある。たとえば、オランダのSymbid、イギリスのCrowdcubeは、いずれも2011年に創設された。

しかし、クラウドファンディングが世界市場では依然メジャーではない現状は、適切かつ革新的な金融規制がなければ変わらないだろう。

クラウドファンディング規制をめぐって当局は、ある障壁に突き当たる可能性がある。一般に広く信じられている経済モデルは、人間が操作やごまかしをしでかす側面を想定していない。経済学者も通常は人間の合理的で正直な面しか語らず、二枚舌の部分は無視する。結果として、クラウドソーシングのダウンサイドリスクは過小評価されてしまうのだ。

次ページダウンサイドリスクとは?
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 埼玉のナゾ
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • ミセス・パンプキンの人生相談室
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
電池開発でノーベル化学賞<br>吉野彰氏が示した「危機感」

受賞会見とともに、リチウムイオン電池の開発の歴史と当事者の労苦を振り返る。世界の先頭を走ってきた日本も、今後および次世代型の市場では優位性が脅かされつつある。吉野氏率いる全固体電池開発プロジェクトに巻き返しの期待がかかる。