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先日、ロンドンからパリを訪れた。電車で2時間半と近く、歴史も市民同士もつながりが深い。私には10歳になる孫娘がいるが、誕生日の楽しみに両親とパリへ行く予定だという。孫娘はパリについて学んだことすべてが大好きだ。
この子もまた、ロンドン市民そして世界中の自由社会に生きる人々が皆そうであるように、最近パリで起こった同時テロ事件にショックを受けた。この惨事はパリでなくロンドンで起こっていた可能性もある。
2005年にロンドンで同時爆破テロが起こったように、欧州のあらゆる都市でテロの起こる可能性がある。オランド大統領は、「われわれは『イスラム国』と戦争状態にある」と述べたが、「われわれ」にはあなたも私も含まれる。皆が当事者だ。
テロや残虐行為もグローバル化
グローバル化とは、真冬にスーパーでマンゴーが買えたり、手軽に飛行機旅行ができたり、インターネットが使えたりするだけではない。テロや残虐行為もまたグローバル化してきた。何千マイルも離れた場所で男女を洗脳・訓練し、武装させ、私たちを殺傷する目的で身近に送り込めるようになった。国際テロに対しては、国際的な対応が必要だ。
だがその対応には、対話と外交も欠かせない。憎悪や恐怖心に駆られて、私たちの市民的価値観を忘れてはならない。イスラム教徒を一律に悪者扱いしてはならない。欧州文明の基本理念を放棄してはならない。難民流入に対するドイツのメルケル首相の対応は、称賛すべきであって、非難するのは誤りだ。
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