箱根駅伝、勝ち上がる弱小校のすごい「戦術」 雑草軍団による大物食いには"理由"がある

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勝ち上がる弱小校のマネジメントとは?(写真は11月に開催された2015全日本大学駅伝。写真:日刊スポーツ/アフロ)

勝ち上がる「弱小校」は何をしているのか

今年正月の箱根駅伝はアオガクがさわやかな風を吹き込み、初優勝を成し遂げた。11月の全日本大学駅伝は東洋大学が見事な“駅伝力”を発揮して、V候補の青山学院大学を撃破。初の栄冠に輝いている。

この数年間の学生駅伝は、青山学院大学、東洋大学、駒澤大学、早稲田大学、明治大学が「5強」ともいうべき存在で、ほとんどのレースで上位を占めてきた。青山学院大学、早稲田大学、明治大学は高校生に人気のブランド校。この5年間で数々のタイトルを獲得してきた東洋大学と駒澤大学には、上昇志向の高い選手が入学している。

各大学はスポーツ推薦枠(10人前後)が決まっており、箱根駅伝の出場を現実的に狙えるレベルの大学は30校ほど。単純計算で1学年約300人の高校生ランナーが「箱根」を目指して関東の大学に集まることになる。プロ野球のようにドラフト制度があるわけではなく、人気大学に有力選手が集中する傾向が強い。当然のように、そこには“格差”が生まれている。

現在の4年生の「入学時5000m上位5人の平均タイム」は、青山学院大学、明治大学、東洋大学、東海大学、駒澤大学がベスト5だった。ちなみにトップ青山学院大学の平均タイムは14分10秒14というハイレベルだ。

しかし、箱根駅伝では高校時代に実績のない弱小軍団が上位に食い込むこともある。今回、クローズアップするのは、現在4年生の「入学時5000m上位5人の平均タイム」が17位(14分34秒98)だった中央学院大学と、同22位(14分56秒21)だった拓殖大学だ。両校はいずれも来年正月の箱根駅伝で“上位”の期待が高まっているチーム。そこでこの2校の指揮官から「弱者のマネジメント」を学んでいきたい。

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