日本人は「駅伝」という競技が大好きだ。元日には全日本実業団駅伝、1月2、3日には箱根駅伝があり、1月中には男女の都道府県対抗駅伝も行われる。
12月20日には全国高校駅伝が開催された。都大路50年記念の今回は、男子で素晴らしいタイムが誕生。世羅高校(広島)が2時間1分18秒の大会新記録&国内国際最高新記録を叩き出したのだ。ところが、「国内国際最高記録」という言葉に、現在の日本陸上界が抱える“闇”が潜んでいると筆者は感じている。
高校駅伝男子は7区間42.195㎞で争われ、「高校最高記録」は佐久長聖高校(長野)が2008年に樹立した2時間2分18秒。今回、世羅高校は「高校最高記録」をジャスト1分上回ったことになる。では、「高校記録」と「国内国際記録」の違いはどこにあるのか? それは外国人選手の有無で決まる。留学生がいると、「国内国際記録」となるわけだ。そして、今年も外国人選手を抱えるチームが都大路を席巻した。
男子は、圧勝した世羅高校を始め、倉敷高校(岡山)、仙台育英高校(宮城)、豊川高校(愛知)、札幌山の手高校(北海道)でケニア人留学生が活躍。いずれも3区に出走して、折り返し地点では世羅高校、仙台育英高校、倉敷高校がトップスリーを占めたほどだった。
花の2区に登場したオツオリの衝撃
現在、日本の高校、大学には多くの外国人ランナー(大半がケニア人)が所属している。過去を振り返ると、箱根駅伝での山梨学院大学の活躍がターニングポイントだったと思う。
山梨学院大学は日本人だけのチームで箱根駅伝初出場を果たすと、3回目の出場となる第65回大会(1989年)でケニア人留学生を起用。花の2区に登場したジョセフ・オツオリが7人抜きの爆走でファンを驚かせた。その後、山梨学院大学はケニア人留学生の活躍もあり、駅伝強豪校に成長。3度の総合優勝を飾るなど、箱根駅伝には欠かせないチームとなった。
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