製作総指揮にスピルバーグが参加した話題の「テラノバ~未来創世記」第1話=パイロット版は、オーストラリアでTV史上例がないほどの大規模なロケが敢行され、製作費はなんと15億円におよんだという。
西暦2149年、大気汚染による環境破壊や人口過多によって絶滅の危機に瀕していた人類は、時空の裂け目を利用し、8500万年前の地球へ移住しようという壮大な植民計画を企てる。太古の人類居住区“テラノバ(新しい世界)”の周辺は、恐竜が棲息する危険な未知の世界だった……。本作は、できればブルーレイでも出してほしかった。
1967年NHKで放映され、人気抜群(マニアにだけ受けた「プリズナーNo.6」とは大違い)だった「タイム・トンネル」は、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」から「ドラえもん」まで、(映画「タイム・マシン」と並んで)後々のタイム・トラベルものの元祖として知られている。たかみも子どもの頃は毎回熱心に鑑賞したので、オープニングのナレーションをいつの間にか暗記してしまった。こんな感じだ。
「タイム・トンネルは、アリゾナ砂漠の地下数千メートルにある科学センターに備えられ、ボタンひとつで人間を現代から過去へ、過去から未来へと自由に送り込める驚異的な装置である。若き科学者ダグとトニーは、この開発途上のタイム・トンネルに送り込まれたまま、過去と未来をさまよう放浪者となってしまった……」
2人の科学者は(未完成のタイム・トンネルの作用で)毎回予期せぬ時代へと強制的にタイム・トリップさせられる。面白いのは、エピソードの大部分が過去、それも世界史上よく知られている大事件の真っ只中に2人が出現することになることだ(なんと「魔術師マーリン」がテーマのエピソードもあり!)。そして科学者なのにダグとトニーは格闘が強く、器用に剣(つるぎ)を扱えたりしてしまうのだ(すごい才能!)。未来のエピソードは数えるほどしかない。番組の都合上(シナリオが大変?)ということだろうか。
今回DVD-BOXには日本未放映の2話を含む全30話と、特典映像が収録された。未放映の2話は「真珠湾攻撃」と「硫黄島玉砕」がテーマ。当時何らかの“配慮”があって、放映されなかったようだ。また、貴重なのは2002年のリメイク版パイロット・フィルムの収録だろう(この完成度では連続ドラマ化されなかったのも当然か)。
(文:たかみひろし/音楽・映像プロデューサー、『モノ・マガジン』2014年3月16日号掲載記事を一部加筆・修正)
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