商品再活性化の源泉はデザインの力--「スコッチ メンディングテープ」の場合《それゆけ!カナモリさん》

 価格は商品の特性からして、「手に取って使われてこそ」だ。いくら優れたデザインであるからといって、手を出しにくい高価なものであってはいけない。そのため、294円と設定された。市場に広く行き渡ることを意図した「ペネトレーションプライシング(市場浸透価格設定)」である。

販売チャネルは一般の文具店だけでなく、LOFTや東急ハンズといった「こだわりのターゲット」が集うチャネルをおさえることに注力した。

プロモーションは商品力を活かし、POPなどで目立たせるという店頭訴求を行っている。

前述の通り、商品を再活性化するためのコツの1つは「商品力の強化」である。商品の価値構造を明確にして現在のPLCで求められる要素を的確に提供し、さらに価値を高める要素を補完していくということが欠かせない。そして、もう1つは「商品力を補完する要素を適切に展開する」ことだ。つまり、商品力だけに頼るのではなくそれを高めるべく、4Pをターゲットが魅力的に感じるようにミックスすることだ。

再活性化が求められる商品は市場に多数存在する。「スコッチ(R) メンディングテープ」のテープディスペンサーの事例は、マーケティングの基本セオリーを忠実に踏襲することの意義について、改めて考えさせてくれる。

《プロフィール》
金森努(かなもり・つとむ)
東洋大学経営法学科卒。大手コールセンターに入社。本当の「顧客の生の声」に触れ、マーケティング・コミュニケーションの世界に魅了されてこの道18年。コンサルティング事務所、大手広告代理店ダイレクトマーケティング関連会社を経て、2005年独立起業。青山学院大学経済学部非常勤講師としてベンチャー・マーケティング論も担当。
共著書「CS経営のための電話活用術」(誠文堂新光社)「思考停止企業」(ダイヤモンド社)。
「日経BizPlus」などのウェブサイト・「販促会議」など雑誌への連載、講演・各メディアへの出演多数。一貫してマーケティングにおける「顧客視点」の重要性を説く。
◆この記事は、「GLOBIS.JP」に2012年6月8日に掲載された記事を、東洋経済オンラインの読者向けに再構成したものです。

 

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