「高齢者に投資は向かない」は大間違い? "つみたて王子"が「60代からでも投資すべき」と言い切るワケ

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もちろん長期的なスパンで為替の水準はこうあるべきだ、こうなるであろうというのはある。ある国で買えるモノやサービスが別のある国で、いくらで買えるかを表す購買力平価などに基づき、ある一定の範疇に収まらないとおかしいというのはある。

ただ短、中期的に見ると、そこには前述の通り投機筋の思惑がうごめくなど、先を読むのは甚だ困難だ。天変地異や戦争といったイベントもある。

ちなみにそういったイベントの際、通貨は逃避通貨(退避通貨、安全通貨ともいわれる)に逃げていく。逃避通貨とは最も経済基盤や社会構造が安定している平和な国の通貨のことで、かつてスイスフランや日本円がそうであった。

今現在、日本がどのように世界から見られているかは置くとして、もしかつてのままであるなら、そしてイベントが日本の近くでない場所で発生したのであれば、日本円が急に上がる可能性もある。

「長期的な株式投資」を勧める理由

このように説明すると、必ず返ってくるのが「株式も同じではないか。株式投資と為替取引で儲けるのと何が違うのか」という問いだ。なるほど、確かに株式にも投機筋が入っている。さまざまな要因で上がり下がりをするのも否定しない。

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しかし株価は、それ以上に長期的にはあるべき水準に向かっていく。マクロ経済で見ても、マクロ経済が成長していれば、その国の株式市場は結果として右肩上がりになる。そこには為替と違って合理性がある。

株価が表現するのは、長期的には企業の成長、事業価値の増大といった、その株式の持つ本源的価値だ。本源的価値に向かって収斂していく株式の長期的特性をとらえていくのが本書でいう投資、すなわち長期投資だ。従って偶然にベットする為替取引とは全く別物だ。

以上のことから、為替取引に資金を投じることは避けたい。為替を読んで短期の株式の売り買いをするのも同様だ。

一方、株式に長期投資をするのであれば、長期的には為替は一定の範疇に落ち着き、株式は本源的価値に向かっていくというそれぞれの特性上、合理的な再現性を期待できる。

中野 晴啓 なかのアセットマネジメント社長

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なかの はるひろ / Haruhiro Nakano

1987年 クレディセゾン入社。2006年社内ベンチャーとしてセゾン投信設立。2007年4月代表取締役社長、2020年6月代表取締役会長CEOに就任し、 2023年6月に退任。9月1日、なかのアセットマネジメント設立。趣味は歌舞伎鑑賞や鉄道など。

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