岩田:無理に「変わらなきゃいけない」という風には言いません。まずは親自身の過去をたどってみたり、自分が日頃、家族に対してどんな思いを抱いているかを振り返ってみたり。そういうことを丁寧に行って、3カ月かけて自分を見つめるプログラムを設けています。これを受けてもらうと、「自分のあり方」に気がつくんですよね。
自分ができるようになるタイミングまで待つ
岩田:思い描いていたより家族にきつく当たっていたなとか、やりたかったはずの子育てと実際していることがずれているなとか。重要なのは気づいたところからどうするかということなのですが、変わりたい人は変わればいいし、そうでない人はそのままでもいいと思います。
まだ過去の自分を握りしめていたい、今は誰かのせいにしておきたい――そういうこともあるじゃないですか。それなら今は、まだ変革のタイミングではないということだと思います。今、自分がどういう状態なのかを落ち着いて見つめるだけで、自分を知るだけで十分です。
窪田:自発的にできるタイミングが来てこそ、変わることに意味があるのですね。この感覚を親自身が味わっていると、タイミングが来ていない子どもに何かを強要することもなくなるかもしれません。
岩田:もちろんそこで変わりたいという人はしっかり応援していきますが、全部を手放すことが必ずしもいいとは限りません。
仕事における「自己内省」と区別するために、家庭におけるこうした振り返りを、私は「自分理解」と呼んでいます。仕事での自分と家庭での自分は誰しも違うので、やることも少し違っています。先ほどお話ししたように、過去を振り返るなど、どちらかというと感情に重きを置いて取り組んでいます。
そしてこれは、時間をかけてじっくりやることだと思っています。自分の考え方のくせや思い込みが来月には治っているかと言ったら、そう簡単なものではありませんよね。進度としては、ティッシュペーパーを重ねていくようなイメージです。1枚1枚はごく薄いけれど、時間と共に厚みが出て、ふんわりと柔らかくなってくる――そんな風に考えてもらえたら。大切なのは急がないことで、私は年単位で向き合うことだと考えています。
(構成:鈴木絢子)
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