親が「子どものためだけに生きる」のはつらすぎる。「無理に変わろうとせず、まずは今の自分を見つめて」

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岩田:無理に「変わらなきゃいけない」という風には言いません。まずは親自身の過去をたどってみたり、自分が日頃、家族に対してどんな思いを抱いているかを振り返ってみたり。そういうことを丁寧に行って、3カ月かけて自分を見つめるプログラムを設けています。これを受けてもらうと、「自分のあり方」に気がつくんですよね。

自分ができるようになるタイミングまで待つ

岩田:思い描いていたより家族にきつく当たっていたなとか、やりたかったはずの子育てと実際していることがずれているなとか。重要なのは気づいたところからどうするかということなのですが、変わりたい人は変わればいいし、そうでない人はそのままでもいいと思います。

まだ過去の自分を握りしめていたい、今は誰かのせいにしておきたい――そういうこともあるじゃないですか。それなら今は、まだ変革のタイミングではないということだと思います。今、自分がどういう状態なのかを落ち着いて見つめるだけで、自分を知るだけで十分です。

窪田:自発的にできるタイミングが来てこそ、変わることに意味があるのですね。この感覚を親自身が味わっていると、タイミングが来ていない子どもに何かを強要することもなくなるかもしれません。

岩田:もちろんそこで変わりたいという人はしっかり応援していきますが、全部を手放すことが必ずしもいいとは限りません。

仕事における「自己内省」と区別するために、家庭におけるこうした振り返りを、私は「自分理解」と呼んでいます。仕事での自分と家庭での自分は誰しも違うので、やることも少し違っています。先ほどお話ししたように、過去を振り返るなど、どちらかというと感情に重きを置いて取り組んでいます。

そしてこれは、時間をかけてじっくりやることだと思っています。自分の考え方のくせや思い込みが来月には治っているかと言ったら、そう簡単なものではありませんよね。進度としては、ティッシュペーパーを重ねていくようなイメージです。1枚1枚はごく薄いけれど、時間と共に厚みが出て、ふんわりと柔らかくなってくる――そんな風に考えてもらえたら。大切なのは急がないことで、私は年単位で向き合うことだと考えています。

(構成:鈴木絢子)

岩田 かおり 家庭教育コンサルタント、ママプロジェクトJapan代表

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いわた かおり / Kaori Iwata

幼児教室勤務、そろばん教室の運営を経て、「子どもを勉強好きに育てたい!」という想いから、独自の教育法を開発。「がんばらない子育て」を軸に、親の自己犠牲を手放しながらも子どもの自立・成長を加速させる教育方法を開発・提唱している。3児の母であり、その子どもたちは、中学生で起業、経団連の奨学生としてインドへ高校留学、学費全額奨学金で海外大学進学、塾なしで慶應義塾大学合格などといった実績を更新し続けている。近著に『自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。著書に『「天才ノート」を始めよう!』(ダイヤモンド社)『自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育』(ディスカヴァー)がある。

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窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO

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くぼた りょう / Ryo Kubota

慶應義塾大学医学部卒業。慶應大医学部客員教授、米NASA HRP研究代表者、米シンクタンクNBR理事などを歴任。虎の門病院勤務を経て米ワシントン大学助教授。2002年創薬ベンチャー・アキュセラを創業。2016年窪田製薬ホールディングスを設立し、本社を日本に移転。アキュセラを完全子会社とし、東証マザーズに再上場。「エミクススタト塩酸塩」においてスターガルト病および糖尿病網膜症への適応を目指し、米FDAからの研究費を獲得し研究開発を進めているほか、在宅医療モニタリングデバイスや、ウェアラブル近視デバイスの研究開発を行っている。

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