昇進意欲の「男女格差」はなぜ拡大しているのか? 企業内の昇進ルートが女性向けに設計されていないという現実
一方、上級管理職の女性たちは、自らの経験を通じて、社内の階段をはい上がることがいかに困難かを深く理解している。女性は昇進の機会を見送られる可能性が高く、先を見据えた時に「これまで以上に険しい道のりと、魅力に乏しいゴール」が見えてしまうと、同リポート共同執筆者でLeanIn共同創業者兼CEOのレイチェル・トーマス氏は指摘する。
失敗織り込む
女性CEOの退任率が男性より高く、しかも後任の多くが男性に置き換わっている現状に女性たちは落胆している。新たに選任される女性取締役の比率が低下しているほか、米カリフォルニア州を拠点とする人工知能(AI)スタートアップの40%超が取締役会に女性を1人も任命していないことにも、彼女たちは気付いている。
さらに、トップに上り詰めた女性が、より厳しい基準で評価されていることも見逃してはいない。女性CEOはアクティビスト(物言う投資家)に狙われやすく、在任期間も男性より短い傾向にある。多くの場合、女性が得られる唯一のCEO職は「成功がほぼ不可能なポスト」であり、最初から失敗が織り込まれているかのようだ。
最近流れたどのニュースも、職場で女性であることの難しさが増しているという感覚を一向に和らげてはいない。11月にゴールドマン・サックス・グループがマネジングディレクターに昇格させた女性の割合は、18年にデービッド・ソロモン氏がCEOに就任して以降で最低だった。

















