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ソニーから独立して11年、VAIOが法人PC市場で市場平均を上回る成長を遂げた理由。安曇野工場に集約された競争力の源泉

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  • 石井 徹 モバイル・ITライター
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25年11月には「ソフトウェアLCM(ライフサイクルマネジメント)サービス」も開始した。OSのセキュリティパッチ配信、ドライバーの更新、アプリケーションの管理をVAIOが代行する。情シス担当者が数百台のPCを1台ずつ管理する負担を軽減できる。

「高速フィードバックループ」が品質を育てる

VAIOでは、発売開始から1年間、故障したPCをすべて安曇野本社に集める運用をしている。届いた故障品は品質担当者が全件確認し、原因が不明な場合はすぐに設計者を呼んでチームで解析する。

たとえば、自転車の前カゴにPCを入れて通勤する顧客から故障報告があったとする。VAIOはその振動パターンを再現する試験を開発し、設計段階で耐えられることを確認するようにした。着脱式バッテリーを採用した他社製品でこの試験を行うと、コネクター部分にガタが生じて起動しなくなるケースがあるという。VAIOは内蔵バッテリー設計でこの問題を回避している。

振動試験機にセットされたVAIO。自転車の前カゴに入れた状態を再現する試験も行われる(写真:筆者撮影)

修理担当者は「新機種が入ってくると、どういう傾向の不具合が出るか想定できない。だから品質と設計に見てもらい、その場でフィードバックする」と説明する。対策は現在生産中の製品にランニングチェンジで反映されるだけでなく、次世代モデルの設計にも織り込まれる。

この仕組みが機能するのは、修理現場が製造フロアのすぐ上にあるからだ。部品を1つ追加する判断も、試験を経て速やかに製造ラインに反映できる。全部門が同一建屋にいることで、発見から対策までのサイクルが極めて短い。

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