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やせているのが私のアイデンティティ
取材で私が出会った12歳の女の子であるOさんの例を示しましょう。
両親は再婚同士で、Oさんは父親の実子、3歳年上の兄が母親の実子でした。もとは別々に育った子どもたちが、親の再婚によって兄妹の関係になったのです。
再婚当初、家族の関係はうまくいっていたそうですが、次第に親子間でしばしばいさかいが生じるようになりました。母親の連れ子である兄に発達障害があり、父親の方がその扱いに手を焼き、反抗期なども相まって毎日のように衝突するようになったのです。
兄の方も感情の抑制が効かず、体が大きかったこともあって歯向かうこともたびたびでした。暴力沙汰に発展するのも日常茶飯事で、時には警察や救急車が呼ばれたといいます。
そのせいでしょうか、母親はストレスを溜め込み、それを父親の連れ子であるOさんにぶつけるようになりました。テストで悪い点を取っただけで「脳みそ腐ってるんなら学校行かずに働けよ」と罵倒し、食事の最中に茶をこぼしただけで「障害あるんじゃない? 病院行ってきな」と言い放つほどだったそうです。
小5の秋から、Oさんは学校でも同級生にいじめられるようになりました。クラスのリーダー格の子とうまくいかなくなった途端に、周りから「陰キャ」「毛深い」「臭い」などと蔑まれだしたのです。
彼女は家庭でも学校でも冷たい言葉を浴びせられているうちに、自分がまったく価値のない人間だと考えるようになりました。
―私なんて生きている意味ないし。
それが口癖になっていたそうです。



















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