「苦手な人との雑談」は、誰にとっても気が重いもの。上司やお客様、取引先など、大事な相手なら、なおさらですよね。
まずは会話の「下地作り」
そんなとき、最初に私が取り組むのは、雑談以前の、会話の「下地作り」です。
まず大切なのは、自分の「苦手意識」や「マイナス感情」を少しでも減らすこと。「この人、嫌だな……」と思っていたら、雑談をしても楽しくないし、そういう気持ちは必ず相手に伝わってしまいますよね。
だから、何でもいいので、相手の「いいな」と思うところを、まずはひとつでも見つけるように努力するのです。
どんなささいなことでもいいし、その場限りのことでもいいと思います。「しぐさ」でも「服装」でも「持ち物」でも「仕事に対する態度」でも、何でもOKです。
相手の雰囲気になじめない場合でも、「話の内容」には共感できることってありますよね。その場合は、「話の内容」にフォーカスし、「今後の雑談のネタを仕入れよう」というつもりで接するのでもいいと思います。
どんな相手であれ、何かしら「学ぶ」ことがあり、「この人と話してよかった」と思う点があるものです。何でもいいので、その「相手のいいところ」をひとつ見つけるよう努力するのです。
そうすることで、雑談に対して「前向き」になることができます。そういう気持ちはしぐさや表情、体の動きに表れ、必ず相手に伝わります。それが、会話の「下地作り」のための、最初の大きな一歩になります。
相手の「いいな」と思うところがひとつでも見つかれば、次は徹底的にそれを「褒める」ことです。
気難しい人やプライドの高い人は、最初、こちらに対して「壁」を作っていることが多いもの。そんな状態でどんな話を仕掛けても、雑談が弾むはずがありません。
だから、まずは相手に和んでもらい、できれば笑顔になってもらうこと。そのためには、とにかく「相手を褒める」ことがいちばんです。褒められて嫌な気分になる人はいませんから。
どんな「褒め方」でもけっこうです。「いいな」と思った相手の「服装」や「しぐさ」、「持ち物」について褒めてもいいし、相手が専門性の高い仕事をしているなら「社会貢献性の高い、すばらしいお仕事なんですね」とか「そんな難しいお仕事をされているなんて、すごいですね」などと褒めていくのです。
「相手のこと」を褒めるのが難しい場合は、「相手の会社」を褒めるのも効果的です。「御社の○○をいつも家族で愛用しています」とか「昔からずっと使っていました」とか。
相手の会社や製品を褒めるのが難しい場合でも、「オフィスの立地が便利」とか「ビルの設備がすごい」とか、何かしら「いいな」と思うところはあるはずなので、何でもいいのでそれを褒めるのです。
「相手を褒めるのは難しい」という意見も聞きますが、「相手を敬う」という気持ちを持てば、自然と褒め言葉が出てきませんか?
そこで、それまでムスッとしていた相手が笑顔になったら、そこでこの会話は半分以上成功といってもいいと思います。
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