これまで、どれだけ作品を書いてもヒットにつながらなかったからだろう。『東海道中膝栗毛』がこれほどの大反響を呼ぶとは、版元も一九自身も予想していなかったらしい。
おそらく、もはや売れ行きなどは考えずに肩の力を抜いて、ただただ面白い読み物を追求したら、大ホームランとなったのではないだろうか。
日本で初めての職業作家に
『東海道中膝栗毛』によって一躍、流行作家になった十返舎一九。曲亭馬琴とともに、日本で初めての職業作家とされている。
NHK大河ドラマ「べらぼう」にもついに一九が登場するが、『東海道中膝栗毛』が出たのは、蔦重の死後のこと。若き日の下積み時代が描かれることになりそうだ。
【参考文献】
旅の文化研究所編『絵図に見る東海道中膝栗毛』(河出書房新社)
楊暁捷 著、板坂則子監修『戯れる江戸の文字絵 十返舎一九「文字の知画」よみがえる大衆の笑い』(マール社)
鈴木俊幸著『蔦屋重三郎』(平凡社新書)
鈴木俊幸監修『蔦屋重三郎 時代を変えた江戸の本屋』(平凡社)
倉本初夫著『探訪・蔦屋重三郎 天明文化をリードした出版人』(れんが書房新社)
山村竜也監修・文「蔦重の復活と晩年 その後の耕書堂」(『歴史人』ABCアーク 2025年2月号)
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