里見浩太朗演じる「須原屋市兵衛」とは
「べらぼう」でいよいよ吉原を飛び出して日本橋へと進出した「耕書堂」の蔦屋重三郎。何かと蔦重を「吉原者」(よしわらもの)と見下して、目の敵にしてきた版元の鶴屋喜右衛門や西村屋与八らとは、ますます対立を深めることになりそうだ。鶴屋喜右衛門の「仙鶴堂」は通油町、西村屋与八の「永寿堂」も馬喰町と、ともに日本橋に位置している。
一方で、蔦重とより仲を深めそうなのが、書物問屋の須原屋市兵衛である。
江戸時代の本屋には、学術や宗教など専門書を扱う「書物問屋」と、草双紙、黄表紙、浮世絵などエンタメ色の強い出版物を扱う「地本問屋」(じほんどいや)の2種類があった。
いずれも本を発行して販売するという点では同じだが、扱う本がまったく違う。そのため、「べらぼう」では両者をライバル関係として描いていない。里見浩太朗演じる須原屋市兵衛が、若き蔦重を何かとサポートし、耕書堂の飛躍に一役買っている。


















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