受験は「代謝」の戦いだった。受験生の心と体が安定し、最後まで集中力を保てる方法。血糖が安定すれば、自律神経が整い、思考までクリアになる

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気分の9割は血糖値
受験期は、夜食や甘いお菓子に頼りがちだ。結果、イライラしたり、急にぼんやりしたり――この血糖の乱高下が集中力を奪っていく(写真:AntonioGuillem/PIXTA)
「今日、朝ごはん抜いてないですか?」
「寝不足? 真夜中に起きることが多くないですか?」
言われた相手は目を丸くして「なんでわかるんですか?」と驚く。
小池雅美医師は相手の見た目から、体の状態を言い当ててしまう特技を持つ。
その根拠となるのは無論、霊感の類ではなく、漢方・栄養療法のみならず、各種統合医療を通じて培ってきた豊富な経験にある。その人の顔貌、姿勢などから患者の栄養状態を言い当てる洞察力と血液データの読解力を駆使し、多くの患者を改善に導いてきた。
現在は外来の傍ら、全国で医師・医療従事者向けに栄養療法のセミナーを行い、業界でその名を知られる小池氏が、このたび初の著作『気分の9割は血糖値』を上梓。発売前からAmazon3部門で1位を独占するなど、大きな話題を呼んでいる。
「気分や集中力は血糖値の影響を強く受けています。だからこそ、血糖を安定させることは、ビジネスパーソンにとって『体調管理』を超えた戦略的スキルとなりえます。またそれを逆手にとれば、仕事術や人間関係の改善にも使うことができます」と小池氏。本稿では「受験に勝つ食事」について語る。

受験に勝つ子は「血糖コントロール」がうまい

受験は、まさに「自律神経」との戦いだ。

気分の9割は血糖値
『気分の9割は血糖値』(東洋経済新報社)(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

1日がかりの試験もあれば、大学によっては2日連続の試験になることもある。何校も続けて受ける人も多く、数カ月にわたる長期戦になる。期待どおりの結果が出ないこともあり、ストレスと緊張の積み重ねは相当なものだ。

試験が近づくと、胸がドキドキし、手足が冷たくなる。呼吸が浅く、胃が重く感じる。これは交感神経が過剰に働き、体が“戦闘モード”に入ったサインだ。血流は生存に関わる部分へ集中し、前頭葉などの“考える脳”の働きは鈍る。つまり、焦っているほど自律神経が乱れて思考力は落ちてしまう

一方、自律神経のバランスが整っている人は、必要なときに交感神経を働かせ、終われば速やかに“安定したモード”に戻る。この「切り替えの柔軟さ」こそが、本番で力を出し切れる子の特徴だ。

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