2900円で《着る断熱材》を実現!暖冬はこれ一枚で乗り切れる→ワークマンが生み出した56万着突破の最強アウターがバカ売れの訳

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「海外などでは“冬はTシャツの上にダウンを着る”といったファッションを選ぶ方も増えているようです。私たちとしても近年の暖冬傾向や暖房機器の進化など、外も中どちらも暖かくなった状況を踏まえ、ウェアも変化(進化)する必要があると考えました。これがエックスシェルター開発の経緯です。暖かさはもちろん、動きやすさだったり、今日何を着ていいのかわからない問題を解決するような製品を目指しました」

外気温マイナス15℃~プラス15℃までの環境下で「強み」を発揮できるXShelter断熱βライトウォームジャケット。松重氏は「将来的にはTシャツ1枚とエックスシェルター1枚、これさえあれば大丈夫と思ってもらえる社会を作りたい」と語ってくれた。

これは補足だが、XShelterは「いま守ることで、みらいを守る」をテーマに、日本赤十字看護大学附属災害救護研究所と共同開発。普段着による日常の厳暑・厳寒・雨対策を進めることで、災害に備えることを目指している。とどのつまり普段身に着けるものが「防災服」の機能性を持っているということ。

そういった意味で、XShelterは様々な願いが込められた「未来の服」と表現するのがふさわしいかもしれない。

その一方で、同製品には「課題」もあることを松重氏は教えてくれた。

絶好調の売れ行き。それでもワークマンが現状に満足できないワケ

「エックスシェルターシリーズは期間、場所、世代、年齢を問わない“幅広い製品”を目指して開発しました。しかし一部のお客様から“デザインがワークっぽい”といった声を頂戴しております。今後どうしていくか、社内で検討しているところです」

XShelter
ワークマン公式サイトスクリーンショット

計4色(ブラック、ネイビーグレー、セージグリーン、レッド)のカラーラインナップの内、たしかにブラック以外のカラーは“仕事着っぽい”印象を受ける。私生活で着用するには、ファッション的にやや難易度が高いか。機能性は唸るほど優れているだけに、この点は少しもったいないかもしれない。購入者からは他にも、「思ってたよりサイズ感がタイト」といった声もあるようだ。

ワークマンは「声のする方に、進化する」という経営理念を大切にしている。その証拠に、XShelterシリーズは昨年の7アイテムから25アイテムへ、今年は大幅に商品ラインナップを拡充させた。これはお客様からの「手袋も欲しい」「ネックウォーマーなどの小物もあればいいのに」といった声を丁寧に拾い上げたからだ。

商品棚
充実した小物のラインナップ(筆者撮影)
次ページさらなるアップデートを狙う「攻めの姿勢」
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