「判決は死刑のみ」の最も重い罪とは? 強盗殺人より"罪深い"、いまだ誰も裁かれていない日本の絶対タブーな犯罪行為の中身

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木槌を叩く裁判官
日本の刑法上で“最も重い罪”は、実は人に対する犯罪ではありません(写真:metamorworks/PIXTA)
凶悪な事件のニュースを見聞きするたび、「最も重い罪は何だろうか」と考えたことはありませんか? 一般的に思い浮かぶのは、強盗殺人や放火殺人といった、人の命を奪う残虐な犯罪かもしれません。しかし、日本の刑法において法定刑が最も重く定められている犯罪は、ある「国家に対する罪」なのです。本稿では、法律問題を、2人のキャラクター(松井弁護士/お嬢様)の対話形式でわかりやすく解説した『それ犯罪です! 知らないとヤバい刑法の話』より一部抜粋のうえ、日本で“最も重い罪”をご紹介します。

一番刑罰が重い犯罪は何ですか?

お嬢様:殺人事件や強盗事件をニュースで目にする日が増えたわ。

松井弁護士:アメリカなどの他国と比べると、日本は平和だと感じることが多いけど、それでも物騒になってきたよね。

お嬢様:やっぱり人の命にかかわる犯罪は厳罰を希望するわ。ただ、どういった罪が一番重くなるのかしら。

松井弁護士:日本の刑法上で一番重い刑罰が定められているのは、実は人に対する犯罪じゃないんだよ。

一般的には、強盗殺人や放火殺人など、残虐な方法で人の命を奪う犯罪が、最も重い罪であるというイメージを持ちやすいと思う。

しかし、法律上、法定刑が最も重い犯罪は、「外患誘致罪」(刑法81条)という犯罪なんだ。

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