コーヒーが毒にも薬にもなる理由。ブレーキを踏んだままアクセルを踏んでいませんか?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

その間、体にどんな変化が起こるか観察してみるのだ。

もし、倦怠感、頭痛、イライラなどの離脱症状が出るようなら、それはすでにかなりシビアなカフェイン依存と考えてよい。

これは脳が「カフェインによる刺激を前提にした状態」になっている証拠である。

最初の数日はつらいかもしれない。だがそれを越えると、睡眠が深くなり、朝の目覚めがいいことに気づくはずだ。また焦りや不安が減り、仕事中の集中力が安定してくる。

多くの人が「コーヒーがなくても動ける自分」に驚くはずだ。それは、体が本来のリズムを取り戻しているサインである。

「コーヒーに頼らず戦える本当の強さ」を身につける

コーヒーを飲まないとスイッチが入らない――そう感じる人は少なくない。

しかし本当は、スイッチが入らないのではなく「ブレーキを踏んだままアクセルを踏んでいる」状態かもしれない。

つまり、体が整っていないのだ。

睡眠不足、欠食、ストレス、血糖の乱れ。

それらが積み重なれば、カフェインでごまかすしかない。

だが、パフォーマンスの土台は「整った体」にしか生まれない。

まずは睡眠と食事を見直し、鉄とエネルギーをしっかり補うこと。

そこで初めて“本当のやる気”が生まれる。

コーヒーをやめろと言いたいわけではない。むしろ、コーヒーは正しく使えば頼もしい相棒になる。

朝食後に一杯、午後3時以降は控える、空腹時には飲まない。

この3つのルールを守るだけで、体への負担は驚くほど減る。

カフェインは「元気の前借り」だ。前借りをしてもあとから返せる体なら武器になるが、返せない体にとってカフェインは毒となる。

一度カフェインを手放して、自分の体がどこまで戦えるのか確かめてほしい。そのときこそ、コーヒーに頼らず戦える本当の強さが身についているはずだ。

小池 雅美 医師、こいけ診療所院長、なす医院非常勤医師、臨床分子栄養医学研究会特別認定指導医、漢方専門医

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

こいけ まさみ / Masami Koike

漢方・栄養療法のみならず、各種統合医療を通じて培ってきた豊富な経験と顔貌、姿勢などから患者の栄養状態を言い当てる優れた洞察力で、多くの患者を改善に導く。体を見るということは、何らかの症状のある場所や検査のデータを見ることだけではなく、食事、笑い声、人間関係、仕事のやり方、そうした生活のすべてが含まれると考え、その延長として、漢方や栄養の勉強を始めて現在に至る。『気分の9割は血糖値』(東洋経済新報社)が初の著書となる。趣味はさかな釣り。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事