主観を排した選手集めでチーム全体の力が向上した

オークランド・アスレチックスGM ビリー・ビーン

 

--今シーズンのアスレチックスの戦力をどう見るか。昨シーズンに獲得した松井秀喜選手が今年はいないが……。

一言でいえば若いチームだ。相変わらず予算が限られているので、コストが安く済む若い選手を中心にチームを編成せざるをえない。ただその中でもデータを駆使してベストを尽くすことに変わりはない。

松井選手を獲得した理由の一つは、若い選手のお手本となるからだ。彼は試合に臨む際の準備や、マスコミへの対応などがすばらしい。しかし今シーズンのチームは、右打者で守備ができる選手を必要としていた(注:松井選手は左打者で守備をしない指名打者での起用が多い)。

--ビジネスの世界では、昨年、ウォールストリートの少数のバンカーが報酬を得すぎていると批判にさらされた。

報酬に見合った働きをしているのであれば問題はない。ただどこの世界にも報酬をもらいすぎている人、逆に過小評価されている人はいるものだ。経営者の立場にあれば、過剰な支払いをやめるべきだ。そして過小評価されている人に目をつけて引き立てる。

評価に関しては何を基準にするかが重要だ。かつての大リーグでは、選手の投げるフォームやルックスなども評価に影響していた。投げ方がおかしければ評価が下がったし、ルックスがよければ評価が上がるといった具合だ。これらは最終目的である勝利には関係ないが、長らく当然のことのように受け入れられていた。慣例でもおかしいと思うことは改める必要がある。

Billy Beane
1962年生まれ。80年にドラフト1位指名でニューヨーク・メッツに入団するが、結果を残せず89年に引退した。スカウトを経て97年から現職。2011年公開の映画『マネーボール』で、自身が野球界で起こした改革が描かれた。

(聞き手:藤尾明彦 =週刊東洋経済2012年5月12日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

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