日韓首脳会談が11月2日、開催された。2012年5月以来、3年半ぶりで安倍晋三首相と朴槿恵大統領による正式な首脳会談は初めてだ。今回の首脳会談により日韓両国は関係改善に向けて一歩どころか、二歩踏み出したと評価できる。
会談が予定時間を大幅に超過して約1時間40分となったのは慰安婦問題に関する話し合いが長引いたからであり、日韓の事務方が事前に想定していたよりも突っ込んだやりとりになったことがうかがわれる。
慰安婦問題については、安倍首相が会談後、記者団に「早期の妥結をめざして交渉を加速させていくことで一致した」と語った。長らくもめてきたこの問題についても話し合いが煮詰まりつつあるという印象があるが、はたしてシナリオ通りに事が運ぶのだろうか。
合意にまで到達することは容易ではない
「早期の解決」については、朴槿恵大統領が「年内妥結」を求めたのに対し、日本側では期限を切ることは困難と判断し、最終的に安倍首相が今年の国交正常化50周年と「問題の早期妥結」を並べて強調することで合意したと報道されており、両首脳が努力した結果の文言だったようだ。
しかし、今後、両首脳が「早期解決」を達成せよと事務方を督促しても合意にまで到達することは容易でない。
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