太っていないのに「血糖値が高め」と指摘された人が知らずにやっている"盲点"――隠れ糖尿病「3つの要因」と対策法《専門医を取材》

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「こうした症状に当てはまる人は、食後血糖値を測定することをおすすめします。140mg/dL以上であれば高め、200mg/dL以上だと糖尿病を発症している可能性があります」

食後血糖値を知るには、食後1時間くらいのタイミングで血糖値を測定する必要がある。医療機関以外では、ドラッグストアなどに併設している指先血糖測定を利用したり、自身で血糖測定器を購入して測定したりする方法がある。

「空腹時血糖値が正常でも、食後血糖値が高めであれば、1食の糖質摂取量が多すぎるというサインです。まずは食生活を見直すことをおすすめします」(矢野医師)

特に食事をサッと済ませられる丼ものや炭水化物が中心のコンビニ弁当、ラーメンとミニチャーハンのセットなどは、血糖値が上がりやすいそうだ。こうしたメニューを避けるほか、先に副菜や主菜を食べて、最後に主食を摂るようにすると、食後血糖値の上昇が緩やかになる。

「“糖質を控えるには、カロリーを控えればいい”と考える方がいるのですが、それは誤解です。摂取カロリーを減らしても糖質量が多ければ、血糖値は下がりません。糖分が入っている野菜ジュースや果汁100%ジュース、スポーツドリンクなどの飲みすぎも要注意です」(矢野医師)

「要因別対策」を医師が伝授

血糖値を下げるには運動も有効だ。冒頭で紹介した3つの要因に合わせた対策を挙げてもらった。

●筋肉量が不足しているタイプ

太ももの「大腿筋」や背中の「広背筋」といった大きい筋肉を使ったトレーニングが効果的。スクワットなど、自分の体重を利用する簡単な筋トレで十分なので、できるだけ毎日続けること。2カ月程度続けると血糖値が下がり始める。

●脂肪肝タイプ

やや速めのウォーキングなど、1日30分程度の有酸素運動で、肝臓など内臓についた脂肪を燃焼させる。食後血糖値がピークを迎える手前の食後15~30分以内にスタートすると、血糖値の急上昇も抑えられる。2カ月ほど続けると、脂肪肝が改善し、血糖値も下がり始める。

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