あまりにも異様…「母が遺した"新品まみれ"のゴミ屋敷」 直面する《壮絶な遺品整理》に、残された家族はどう向き合えばいいのか?

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買うことを抑制するのは難しい。ならば、増え続けるモノに「出口」(行き先)をつくってあげればいい。しかし、その出口を見つけるのもまた、簡単ではない。

誰かにあげる、というのは1つの手だが、広い人間関係がなければ成立しないし、相手の好みと合わなければただの迷惑になってしまう。フリマアプリで売る、という方法も実はハードルが高い。

「買い物依存症の傾向がある方は、モノではなく買うことそのものに重きを置くので、高価なブランド品よりも安価なファストファッションや雑貨に走ることが多い。すると、いざ売ろうと思っても、ほとんど値がつきません。リユースショップでは、『ユニクロやGUは引き取れません』といったように、ブランドによっては引き取りすらしてもらえないケースも多々あります」

買うのは簡単だが、手放すのは難しい。モノの入り口は広く、出口は狭いのだ。

ゴミ屋敷
片付けを進めるスタッフ。ようやく畳が見えてきた(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
ゴミ屋敷
これだけモノがあれば、プロでさえも仕分けには骨を折る(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)

遺された者が抱える葛藤

遺品整理の現場は、残された家族にとっても大きな負担となる。物理的な問題もさることながら、精神的な負担も計り知れない。

ある遺族は、自分たちで実家の片付けを始めたものの、すぐに限界を感じたという。

「実家が遠方で月に1回しか帰れなかったんです。最初は自分たちで片付けていたのですが、出てくるゴミ袋が200袋を超えたあたりで、とても手に負えないと悟りました。地域の粗大ゴミのルールも複雑で、一度に大量に出すこともできません。これはもうプロに頼むしかないと思いました」(ある遺品整理の依頼者)

住んでいる物件によっては、一度に大量のゴミを出すことができない。中には「1日あたり5袋まで」など、数が制限されていることもある。

ゴミ屋敷
持ち込んだ段ボールだけでなく、不用品として出た衣装ケースも仕分け用ボックスとして再利用(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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