イーブイが心がけているのは、「作業場の確保」と「局所的な片付け」だ。今回の現場では、まず押し入れの中に入っている布団をすべて搬出し、空いたスペースをつくる。そこに空の段ボール箱を並べ、仕分けの拠点とする。そして、部屋の隅から少しずつ片付けていく。
そうすることで、「この一角は終わった」という達成感が得られ、次のエリアに進むモチベーションが湧いてくる。
買い物依存症の人がモノを減らす難しさ
なぜ、故人はこれほどまでにモノをため込んでしまったのか。単なる「もったいない」という気持ちだけでは、この物量は説明できない。

二見氏は、買い物依存症の人がモノを減らすのは極めて困難だと話す。
「おそらく、ご本人がモノを減らそうと思っても、難しかったのではないでしょうか。買い物依存の方にとって、『使うか、使わないか』という判断基準は意味を持ちません。買い物そのものが趣味になっているからです。『使うから買う』のではなく、『好きだから買う』ので、同じようなものがどんどん増えていってしまうんです」
たとえば、各部屋に同じ手鏡を置こうとしたり、ノベルティ欲しさに必要以上の化粧品を買ってしまったり、ECサイトで「あと何円で送料無料」という表示を見て、つい余計なものまでカートに入れてしまったりする。
また、シャンプーや洗剤のような消耗品は、「どうせいつか使うのだから」という大義のもと、大量に買いだめしてしまう。

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