要注意なのは実は「高血圧の人」だけじゃなかった…【低血圧の人】の入浴に潜む"侮れない"リスク

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■入浴時間は10分、全身浴でゆっくり温まる

 副交感神経が優位になり、血圧が安定しやすくなります。

■「不感温浴」も取り入れてみる

36〜38℃のぬるま湯に20分ほど浸かる「不感温浴」という方法があります。これだと心拍や血圧に影響を与えにくく、安心して入浴できます。

降圧剤を服用して血圧がコントロールできていれば、過度に神経質になる必要はありません。ただし、41℃以上の熱いお湯に浸かるのは避けたほうがよいでしょう。

また、普段は血圧が高くない方でも、高齢になると動脈硬化が進んでいることがあります。そのため、高齢の方も41℃以上のお湯には入らないようにしてください。

「低血圧」の人は湯船から出る前に冷水で手洗い

低血圧の方は、高血圧の方に比べて、入浴によるリスクは低いとされています。ただし、立ちくらみや失神など、一過性の意識障害には注意が必要です。

実際、入浴中の事故では、心停止や長期入院を要した重症例の85%、短時間で回復した中等症の93%が、いずれも意識消失が原因だったとの報告もあります。つまり、事故の多くは「意識を失うこと」が原因となっているのです。

特に危険なのは、湯船から出る瞬間。湯船に浸かっている間は、体温の上昇によって血管が拡張し、血圧が低下しています。さらに、湯の水圧によって、血流がある程度保たれている状態です。

ところが、湯から立ち上がると、水圧が急になくなります。それから、座っている姿勢から、立つ姿勢への変化で、血液が一時的に下半身にたまりやすくなります。

すると脳への血流が減少し、「起立性低血圧」と呼ばれる状態に。目の前が真っ暗になって意識を失い倒れるので、水栓に頭を激しく打ち付けるなどの大きなケガをすることにつながります。

もともと血圧が低めの方、疲労や脱水傾向がある方は、湯船から立ち上がるときのこの動作によって、立ちくらみや失神など意識障害につながるリスクが高まるので注意したいところです。

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