要注意なのは実は「高血圧の人」だけじゃなかった…【低血圧の人】の入浴に潜む"侮れない"リスク

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急激な血圧の変動は、脳卒中や心筋梗塞といった循環器系のトラブルの引き金になります。特に高血圧の方は、入浴時の温度差や、熱いお湯で交感神経が強く刺激されることで血圧が急上昇しやすく、事故のリスクが高まってしまいます。

こう話すと、入浴が怖くなってしまうかもしれません。実際に、高血圧の治療をしている方からは、入浴への不安の声を聞くこともあります。しかし、正しく入浴すれば怖がる必要はありません。むしろ、高血圧を改善することが可能なのです。

「高血圧」の人は丹念なかけ湯とぬるめのお湯で

高血圧の一因は血管の硬さです。入浴すると血管のしなやかさを取り戻す作用のある、一酸化窒素(NO)という物質が産生されます。つまり、入浴は高血圧の改善に有効なのです。

40〜59歳の男女約3万人を20年間追跡調査した結果、週5〜7回入浴する人は、週2回以下の人に比べて心疾患リスクが35%、脳卒中リスクが26%低下、特に脳出血は46%も低下することが明らかになっています。こうしたデータからも、入浴が血管の健康維持に有効で、高血圧の改善にもつながることがわかると思います。

では、血圧が高い方は、どんなことに気をつけて入浴するとよいでしょうか。

■冬は脱衣所、浴室を暖める

リビングとの温度差が5℃以上あると血圧が上がるリスクが出てきます。脱衣所は暖房を入れ、湯船のふたをせずに湯を張る、入浴前にシャワーを1~2分床にかけ流して湯気を立てると浴室が暖まります。

■お湯の温度は38〜40℃に設定

熱いお湯は交感神経を刺激して、血圧が急激に上がるので避けましょう。

■入浴前に血圧を測定する

入浴前には必ず血圧を測り、最高血圧が160mmHg、最低血圧が100mmHg以上の場合は無理をせず、その日はシャワーだけにします。

■体をお湯の温度に慣らすため、丁寧な「かけ湯」を行う

 手桶10杯分程度のお湯を手足から全身にかけて、徐々にお湯に体を慣らすと急激な血圧上昇が防げます。

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